魔法使い時々王子
「あ、いけない。そろそろ行かないと。今夜は晩餐会があるのよ」
アリスは本を閉じ、立ち上がった。
「またね、リト」
そう言って慌ただしく図書館を後にする。
リトは何も言わず、その後ろ姿をしばらく目で追っていた。
*
夜になり、アリスは華やかなドレスに身を包み、ルーナと共に晩餐会の会場へ向かった。
用意された席に着き、隣に座るはずのセオを待つ。
しかしほどなくして、セオは体調が優れず、本日の晩餐会は欠席するという知らせが届いた。
「……そう」
アリスは小さく頷き、空席となった横に視線を落とす。
その時だった。
誰かが静かに椅子を引き、アリスの隣に腰を下ろした。
「……?」
顔を向けた瞬間、アリスは目を見開いた。
「リト?!」
そこには、何食わぬ顔で座るリトの姿があった。
背筋を伸ばし、いつもと変わらない涼しい表情で、平然としている。
「どうしてここに……」
言葉を失うアリスをよそに、会場がざわりと波立った。
——ざわっ。
晩餐会に集まった貴族たちが、一斉にリトへと視線を向けている。
驚き、戸惑い、そしてどこか緊張を帯びた空気。
アリスは本を閉じ、立ち上がった。
「またね、リト」
そう言って慌ただしく図書館を後にする。
リトは何も言わず、その後ろ姿をしばらく目で追っていた。
*
夜になり、アリスは華やかなドレスに身を包み、ルーナと共に晩餐会の会場へ向かった。
用意された席に着き、隣に座るはずのセオを待つ。
しかしほどなくして、セオは体調が優れず、本日の晩餐会は欠席するという知らせが届いた。
「……そう」
アリスは小さく頷き、空席となった横に視線を落とす。
その時だった。
誰かが静かに椅子を引き、アリスの隣に腰を下ろした。
「……?」
顔を向けた瞬間、アリスは目を見開いた。
「リト?!」
そこには、何食わぬ顔で座るリトの姿があった。
背筋を伸ばし、いつもと変わらない涼しい表情で、平然としている。
「どうしてここに……」
言葉を失うアリスをよそに、会場がざわりと波立った。
——ざわっ。
晩餐会に集まった貴族たちが、一斉にリトへと視線を向けている。
驚き、戸惑い、そしてどこか緊張を帯びた空気。