魔法使い時々王子
シドは手紙の内容を読み終え、ゆっくりと息を吐いた。

「……星晶……」

ぽつりと零れた呟きに、セラが眉をひそめる。

確かに、ミロ王国に星晶があるという話は、どこかで耳にしたことがあった。
だがそれは、貴重な鉱物というより――
神聖で、容易に触れてはならないものとして語られていた記憶だ。

(それを……イスタリアが求めている?)

手紙に書かれていた言葉が、じわりと胸に重くのしかかる。
シドはもう一度視線を落とし、そして考え込むように沈黙した。

ふと、視線を感じて顔を上げると、セラがじっとこちらを見ていた。

「……なに? アリス様、お元気だって?」

軽い調子の問いかけだったが、シドは首を振った。

「それだけじゃない」

そう言って、手紙を畳み、机の上に置く。

「ちょっと、手伝ってほしいことがあるんだ」

セラは一瞬、きょとんとしたあと、にやりと笑った。

「へえ。珍しいね、シドから頼みごとなんて」

「……絶対に、他言無用だ」

その声音がいつもより低く、真剣だったため、セラの表情も自然と引き締まった。

「了解。
で、何を調べればいいの?」

シドは一拍置いてから、はっきりと言った。

「ミロ王国の星晶について。」
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