その天才外科医は甘すぎる~契約結婚のはずが溺愛されています
 そのとき、バッグに入れていたスマートフォンが震える音がした。画面を確認すると、ひよりからの連絡だった。

 「すみません、妹から電話が来ていて…」
 「気にせず出てくれていい」

 少しだけ眉をゆるめた真澄の言葉に、澪はお礼を言ってから席を外す。
 お店の外に出てから通話ボタンを押した。

 「もしもしひより?どうしたの?」
 『お姉ちゃん!あのさ、明日朝練あるって言ってたかなーと思って』
 「えっ?!聞いてないよ、何時に出るの?六時?」
 『五時半…』

 ひよりの呟きを聞いて、お酒を飲んでいなくてよかったと本気で思った。明日の朝のスケジュールを瞬時に組み立てながら息をつく。

 「分かったよ、でも明日早いならもう寝ないと。遅くまでスマホ見てちゃダメだよ!」
 『ほんと過保護なんだけど!私もう高校生だよ?』
 「当然でしょ、お母さんからひよりのこと頼まれてるんだから」
 『それ一生言い続ける気でしょ?』
 「それはひよりの行い次第だよ?」

 冗談めかして笑いながら電話を切って、澪は急いで席に戻った。

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