その天才外科医は甘すぎる~契約結婚のはずが溺愛されています
「すみません、お待たせしました」

席についてからバッグにスマートフォンをしまう。

「妹さんがいるんだな」

グラスを置いた真澄が、静かに言葉を落とす。

「仲が良いのか?」
「どうでしょう…いま高校生で難しい年ごろなんで、鬱陶しがられてるかもしれませんけど」

澪は小さく肩を竦めてみせる。

「よく過保護すぎって言われるんです、本人からも」

少しだけ自嘲気味に笑うその横顔を、真澄は静かに見つめていた。

「……過保護かどうかは分からないが、君がそうしてきた理由くらい妹さんも分かっているんじゃないか?」
「…そうだといいんですけど」

(冗談っぽく流されるかと思っていたのに…)

感情の読めない表情は変わらずだったけれど、どこか優しさが滲んでいる気がして澪はグラスの水に視線を落とした。

「お待たせいたしました」

スタッフの言葉とともに、静かに料理がテーブルへ置かれる。

(……よかった。会話が途切れて)

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