裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
 彼はいったいなにに対して怒っているのだろう?
「こういうことをほか男にもしたのか?」
 苛立たしげに問いかけられて、びくりと肩を震わせる。
 彼の真意はわからないが、とにかくなにか言わなくてはと、和葉はふるふると首を横に振った。
「だ、誰にも……」
 遼一が目を細めて、和葉の表情を観察するように見ている。和葉の言葉が本当かどうか確認しているのだろう。
 やがて納得したように、目を閉じふーっと息を吐いた。
 再度質問が飛んでくる。
「だったら、なぜこんなことを?」
「私、今日は幸せだったから、どうしても今夜、遼一に……。遼一に……」
 さすがに、それ以上は言えなくて、口を噤むと、じわりと目尻に涙が浮かんだ。
 みじめだ、そう思った瞬間、再び唇が塞がれた。
 さっきとは、打って変わって優しいいつものキスだった。そのことに和葉は少し安堵する。
 彼の真意はわからないが、とにかく怒りは収まったようだ。
 もう一度ちゃんと謝って、分布相応なことを望むのはやめにする。
 けれど、彼の手が和葉のパジャマのボタンをはずしていると気が付いて、びくりとした。わけがわからずに再び混乱し身じろぎする。
 だってさっきまでは迷惑そうだったのに。
 彼のシャツを掴み引っ張って止まってほしいと合図するが、その手はそれを黙殺した。キスは徐々に激しくなり、和葉はそれどころではなくなってしまう。
「あ、ん……‼︎」
 甘い声をあげたのは、遼一が首元に吸い付いたと同時だった。和葉の身体は勝手に跳ねて、疑問は頭から吹き飛んだ。
 抑えこまれているわけではないけれど、和葉の身体を知り尽くしている彼にかかれば、理性などあっという間にぐずぐずにされて、いったいなにをしたかったのか、なにを聞きたかったのか、わからなくなってしまう。
「あ……ダ、ダメ……」
「なぜ? 和葉が望んだことだろう」
 耳を食まれて直接言葉を注がれる。
 責めるような言葉さえも甘美なものに変えられてしまう。
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