裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
和葉の実家は、都内の閑静な住宅街の一角にある。
駅からは幼児を連れて歩くには遠く、帰国してから和葉が実家に来る時はいつもタクシーを使っている。
その日も和葉はタクシーを使い玄関で降り立った。
呼び鈴を鳴らすと車の音に気がついていたのか、母が待ちかねたようにドアを開けた。
「あ! いっくんいらっしゃい! よく来たねぇ」
娘はそっちのけで、腕の中の樹にだけ挨拶をする。
樹が、ニマニマと笑って手を伸ばした。
「はいはい、ばばが抱っこしましょうね」
もはや慣れた様子で、樹は母の腕に乗り換える。ふたりは嬉々として家の中に入って行った。
和葉も中に入り、外出する時には必ず持っていく樹のものが入った大きな荷物を上り口に置いて、ふうっと肩の力を抜いた。
帰国して店のシフトが落ち着いた頃からできるだけ実家へは暇を見つけて顔を出すようにしている。父の介護で、母が和葉のマンションへ来られないからだ。
はじめは人見知りしていた樹ももう慣れたもので、来ると母にべったりである。和葉もようやく実家に来て少しほっとできるようになった。
一階のリビングの横の和室が、父のベットがある場所だ。
「お父さん、調子はどう?」
リビングのソファに荷物を置いて呼びかけると、父がにっこりと笑ってテレビを消した。
目を覚ました時は、記憶にも障害が残ると言われたが、母の献身的な介護の結果、記憶は徐々に戻った。言語障害は残っているが、和葉のこともわかるし、歩けなくても上半身は少し動かせるようになった。
樹が来るようになってからは、意欲が出ているようで、今は折り紙で紙飛行機を作るのに挑戦している。
それらは枕元に用意してあって、樹が来ると父はリビングに向かって飛ばす。それを樹はきゃーっと声をあげて追いかけるのだ。
「顔色いいね。食欲はある?」
駅からは幼児を連れて歩くには遠く、帰国してから和葉が実家に来る時はいつもタクシーを使っている。
その日も和葉はタクシーを使い玄関で降り立った。
呼び鈴を鳴らすと車の音に気がついていたのか、母が待ちかねたようにドアを開けた。
「あ! いっくんいらっしゃい! よく来たねぇ」
娘はそっちのけで、腕の中の樹にだけ挨拶をする。
樹が、ニマニマと笑って手を伸ばした。
「はいはい、ばばが抱っこしましょうね」
もはや慣れた様子で、樹は母の腕に乗り換える。ふたりは嬉々として家の中に入って行った。
和葉も中に入り、外出する時には必ず持っていく樹のものが入った大きな荷物を上り口に置いて、ふうっと肩の力を抜いた。
帰国して店のシフトが落ち着いた頃からできるだけ実家へは暇を見つけて顔を出すようにしている。父の介護で、母が和葉のマンションへ来られないからだ。
はじめは人見知りしていた樹ももう慣れたもので、来ると母にべったりである。和葉もようやく実家に来て少しほっとできるようになった。
一階のリビングの横の和室が、父のベットがある場所だ。
「お父さん、調子はどう?」
リビングのソファに荷物を置いて呼びかけると、父がにっこりと笑ってテレビを消した。
目を覚ました時は、記憶にも障害が残ると言われたが、母の献身的な介護の結果、記憶は徐々に戻った。言語障害は残っているが、和葉のこともわかるし、歩けなくても上半身は少し動かせるようになった。
樹が来るようになってからは、意欲が出ているようで、今は折り紙で紙飛行機を作るのに挑戦している。
それらは枕元に用意してあって、樹が来ると父はリビングに向かって飛ばす。それを樹はきゃーっと声をあげて追いかけるのだ。
「顔色いいね。食欲はある?」