裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
問いかけると、父は頷いて、サイドテーブルのタブレットを取る。ゆっくりした動作で画面を開いて和葉に見せた。
HOPHOPの記事が載っているWEBマガジンのページだった。
「あ、これ見てくれたの?」
ニコニコして啓の写真を指差している。
「ふふふ、啓、かっこよく写ってるでしょ。時々お客さんから写真撮ってって頼まれるんだよ。すっかり有名人」
そこへ、樹が駆け込んできた。
「樹、走っちゃダメだよ。角にごつんだよ」
一応和葉は注意するが、それほど心配していない。ここは一軒家で足音を気にする必要はないし、母が樹のために家具の角をガードしてくれているうえに、ある程度広さがあるからだ。
だからさほど危なくはないけれど、本棚の下の引き出しを開けはじめたのに気がついて、眉を寄せて止めにいく。
最近樹は、引き出しを開けることを覚えた。中を掻き回すわけではないけれど、とにかく引っ張るのが楽しいようで片っ端から開けていく。
「ああ、いっくん。勝手に開けちゃダメだってば」
「好きなようにしたらいいよ」
樹の後ろから、オレンジを盛った皿をトレーに乗せて持ってきた母が笑った。
「上手に開けるね、いっくん。片付けは後でしとくから、和葉もゆっくりして」
「でも」
母はそう言うが放っておいたらあっという間に部屋がめちゃくちゃになってしまうのだ。和葉は樹を追いかけて彼が開けた引き出しを閉めて回る。そこでふと中の書類が目に留まり手を止めた。
クリアファイルに入ったA4サイズのその紙のタイトルは『解任通知』とある。勝手に見てはいけないと思うより早く本文を読んでしまう。
内容は簡潔だった。
副社長寺坂高弘に対し株式会社NANAの臨時株主総会は、解任決議を可決した、よってここに通知する。理由は業務上横領の疑いがかかっていること。今後は刑事告訴を予定している……。
「刑事告訴……? 業務上横領?」
およそ父とはそぐわない内容に、眉を寄せて思わず呟いてから、ハッとして振り返る。
父と母が複雑な表情でこちらを見ていた。もはや、見て見ぬふりはできなくなって、和葉は書類を取り出して、父のベッドのそばに座ってふたりに問いかけた。
「これ、どういうこと? お父さんが会社を辞めたのって倒れたことが原因だったんじゃないの?」
HOPHOPの記事が載っているWEBマガジンのページだった。
「あ、これ見てくれたの?」
ニコニコして啓の写真を指差している。
「ふふふ、啓、かっこよく写ってるでしょ。時々お客さんから写真撮ってって頼まれるんだよ。すっかり有名人」
そこへ、樹が駆け込んできた。
「樹、走っちゃダメだよ。角にごつんだよ」
一応和葉は注意するが、それほど心配していない。ここは一軒家で足音を気にする必要はないし、母が樹のために家具の角をガードしてくれているうえに、ある程度広さがあるからだ。
だからさほど危なくはないけれど、本棚の下の引き出しを開けはじめたのに気がついて、眉を寄せて止めにいく。
最近樹は、引き出しを開けることを覚えた。中を掻き回すわけではないけれど、とにかく引っ張るのが楽しいようで片っ端から開けていく。
「ああ、いっくん。勝手に開けちゃダメだってば」
「好きなようにしたらいいよ」
樹の後ろから、オレンジを盛った皿をトレーに乗せて持ってきた母が笑った。
「上手に開けるね、いっくん。片付けは後でしとくから、和葉もゆっくりして」
「でも」
母はそう言うが放っておいたらあっという間に部屋がめちゃくちゃになってしまうのだ。和葉は樹を追いかけて彼が開けた引き出しを閉めて回る。そこでふと中の書類が目に留まり手を止めた。
クリアファイルに入ったA4サイズのその紙のタイトルは『解任通知』とある。勝手に見てはいけないと思うより早く本文を読んでしまう。
内容は簡潔だった。
副社長寺坂高弘に対し株式会社NANAの臨時株主総会は、解任決議を可決した、よってここに通知する。理由は業務上横領の疑いがかかっていること。今後は刑事告訴を予定している……。
「刑事告訴……? 業務上横領?」
およそ父とはそぐわない内容に、眉を寄せて思わず呟いてから、ハッとして振り返る。
父と母が複雑な表情でこちらを見ていた。もはや、見て見ぬふりはできなくなって、和葉は書類を取り出して、父のベッドのそばに座ってふたりに問いかけた。
「これ、どういうこと? お父さんが会社を辞めたのって倒れたことが原因だったんじゃないの?」