裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
「俺はそんなことを気にしているわけじゃない」
隣で樹が寝ているからか、押し殺した声で彼は言った。
不可解な彼の言葉に、和葉は眉を寄せる。
ではそれ以外に彼はなにを気にしているだろう?
「和葉、俺は……」
再び遼一が口を開きかけた時、ムーンムーンと振動音が鳴る。
一瞬自分かと思ったが、どうやらそうではなく遼一の携帯のようだった。彼はジャケットの内ポケットに手を差し込む。画面を確認して険しい表情になった。
「私に構わず出てください」
だが彼は画面をスライドさせて通知を切った。
時刻は午後九時を回っているが、彼の立場を考えると、まだ業務時間みたいなものだろう。
「いいんですか? 仕事の電話では?」
「いや……。だがそろそろ失礼させてもらうよ。悪いけど話の続きはまたにしよう」
携帯をポケットにしまい立ち上がる彼に、和葉は反射的に声をあげる。
「つ、続きなんてありません。さっき言ったことがすべてです。あなたの知りたいことはお伝えしました。確かに樹とあなたは血が繋がっています。でもそれで私からなにかを要求することはありません。関わらないと約束します」
遼一が苦々しい表情になった。
「関わらないでほしいなんて思っていない」
「でも私は、関わりたくないんです!」
和葉を見下ろした格好で遼一がフリーズする。
喉の奥が熱くなるのを感じながら、和葉は震える声で訴える。
「この二年間、私がどんな思いで過ごしたかあなたにはわからないでしょう? どんな思いで立ち直り……あ、あなたを忘れて……穏やかな生活を取り戻したのか。どうやって………。だから本当にもう会いたくないんです。連絡してこないでください」
最後は懇願するよう言った和葉に、遼一が一段と厳しい表情になった。
惨めだ、と心底思う。
愛し合っていると思っていたのは自分だけ、それをわかっていながら、あなたと別れて苦しかったと、本人を前にして口にしたのだから。
隣で樹が寝ているからか、押し殺した声で彼は言った。
不可解な彼の言葉に、和葉は眉を寄せる。
ではそれ以外に彼はなにを気にしているだろう?
「和葉、俺は……」
再び遼一が口を開きかけた時、ムーンムーンと振動音が鳴る。
一瞬自分かと思ったが、どうやらそうではなく遼一の携帯のようだった。彼はジャケットの内ポケットに手を差し込む。画面を確認して険しい表情になった。
「私に構わず出てください」
だが彼は画面をスライドさせて通知を切った。
時刻は午後九時を回っているが、彼の立場を考えると、まだ業務時間みたいなものだろう。
「いいんですか? 仕事の電話では?」
「いや……。だがそろそろ失礼させてもらうよ。悪いけど話の続きはまたにしよう」
携帯をポケットにしまい立ち上がる彼に、和葉は反射的に声をあげる。
「つ、続きなんてありません。さっき言ったことがすべてです。あなたの知りたいことはお伝えしました。確かに樹とあなたは血が繋がっています。でもそれで私からなにかを要求することはありません。関わらないと約束します」
遼一が苦々しい表情になった。
「関わらないでほしいなんて思っていない」
「でも私は、関わりたくないんです!」
和葉を見下ろした格好で遼一がフリーズする。
喉の奥が熱くなるのを感じながら、和葉は震える声で訴える。
「この二年間、私がどんな思いで過ごしたかあなたにはわからないでしょう? どんな思いで立ち直り……あ、あなたを忘れて……穏やかな生活を取り戻したのか。どうやって………。だから本当にもう会いたくないんです。連絡してこないでください」
最後は懇願するよう言った和葉に、遼一が一段と厳しい表情になった。
惨めだ、と心底思う。
愛し合っていると思っていたのは自分だけ、それをわかっていながら、あなたと別れて苦しかったと、本人を前にして口にしたのだから。