裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
そのキスは毒のように
滑走路に色とりどりの航空機が並び、夏の終わりの厳しい夕日を反射させている。その景色を一望できるカフェにて、和葉と麻衣子、歩美の三人は丸い机を囲んでいる。
「うわー、こういうのなんか懐かしい」
麻衣子がカフェオレを両手で包みそう言った。
「ね、二年ぶりくらいじゃない?」
歩美の言葉に和葉はアイスティーをかき混ぜながら頷いた。
「一緒に働いてた時は、よく三人で会ってましたもんね。麻衣子、なんかごめんね、ご飯行こってずっと言ってくれてたのに」
帰国してすぐに麻衣子が提案してくれたチームを集めての飲み会はまだ実現していない。
お互いに仕事が立て込んでいたからだ。それにチーム皆の都合を合わせるとなるといつまでも会えそうにないから、とりあえず仕事帰りにでも、ふたりで会おうという話になった。じゃあダメもとでと歩美にも声をかけて三人で会うことになった。
「いいよ、いいよ。そりゃあれだけお店が話題になってれば忙しいでしょ。しょっちゅう並んでるから、なかなか食べにいけないって後輩たちが嘆いてたもん。私も全然行けてないし」
「うぅ、ごめん。今アルバイトの子が調理できるように練習してて、来週あたりからもう少し早く提供できると思います。そしたらよろしくと皆さんにお伝えください」
「オッケー! 言っとく。和葉、六時までだっけ?」
「うん、そう。……本当バタバタでごめん」
会うといっても樹の保育園の迎えまでの本当にちょっとの時間になってしまったのが申し訳なかった。
「いいよ、いいよ。ちょっとだけでも顔を見れてよかった」
麻衣子の隣で歩美が首を傾げた。
「お子さんの保育園どこなの? 家の近く?」
「前はそうだったんですけど、今は転園して空港近くの空島(そらじま)保育園に預けています」
「空島保育園って、……NANA(うち)の?」
「はい。少し前に空港勤務ならNANAの社員じゃなくても利用できるようになったって聞いて」
空島保育園はもともとはNANAの社員のために設立された企業内保育園だ。空港の近くにあって敷地が広く、保育プログラムが充実してる。職員の勤務体制に合わせて二十四時間保育可能だ。
最近、保育の対象を職員の子から空港勤務者の子まで広げた。樹は先週からそこに預けている。
「園庭が広くて、一日中走り回れるのがすごくよくて。前の保育園も丁寧に見てくれましたけど、園庭がないので運動量が足りなかったんですよね」
「うわー、こういうのなんか懐かしい」
麻衣子がカフェオレを両手で包みそう言った。
「ね、二年ぶりくらいじゃない?」
歩美の言葉に和葉はアイスティーをかき混ぜながら頷いた。
「一緒に働いてた時は、よく三人で会ってましたもんね。麻衣子、なんかごめんね、ご飯行こってずっと言ってくれてたのに」
帰国してすぐに麻衣子が提案してくれたチームを集めての飲み会はまだ実現していない。
お互いに仕事が立て込んでいたからだ。それにチーム皆の都合を合わせるとなるといつまでも会えそうにないから、とりあえず仕事帰りにでも、ふたりで会おうという話になった。じゃあダメもとでと歩美にも声をかけて三人で会うことになった。
「いいよ、いいよ。そりゃあれだけお店が話題になってれば忙しいでしょ。しょっちゅう並んでるから、なかなか食べにいけないって後輩たちが嘆いてたもん。私も全然行けてないし」
「うぅ、ごめん。今アルバイトの子が調理できるように練習してて、来週あたりからもう少し早く提供できると思います。そしたらよろしくと皆さんにお伝えください」
「オッケー! 言っとく。和葉、六時までだっけ?」
「うん、そう。……本当バタバタでごめん」
会うといっても樹の保育園の迎えまでの本当にちょっとの時間になってしまったのが申し訳なかった。
「いいよ、いいよ。ちょっとだけでも顔を見れてよかった」
麻衣子の隣で歩美が首を傾げた。
「お子さんの保育園どこなの? 家の近く?」
「前はそうだったんですけど、今は転園して空港近くの空島(そらじま)保育園に預けています」
「空島保育園って、……NANA(うち)の?」
「はい。少し前に空港勤務ならNANAの社員じゃなくても利用できるようになったって聞いて」
空島保育園はもともとはNANAの社員のために設立された企業内保育園だ。空港の近くにあって敷地が広く、保育プログラムが充実してる。職員の勤務体制に合わせて二十四時間保育可能だ。
最近、保育の対象を職員の子から空港勤務者の子まで広げた。樹は先週からそこに預けている。
「園庭が広くて、一日中走り回れるのがすごくよくて。前の保育園も丁寧に見てくれましたけど、園庭がないので運動量が足りなかったんですよね」