裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
「あら、パパがお迎えにきてくれたのね。ボク、よかったね」
「お店楽しみにしてますね」
ふたりは、空港出口の方向へ去っていった。
彼女たちの勘違いに和葉は少し気まずい思いになるが、その場限りの相手にわざわざ訂正しない。普通はそう思うだろう。
それよりも『お店』という言葉に首を傾げる啓に和葉は機内で交わした会話を説明する。
「機内で隣になった方。偶然なんだけどね、旅行中にうちの店に来てくださったみたいなの。で、日本にもオープンするんですよって話をして」
「そうなんだ。さすがはかずちゃん! 帰国前から宣伝してるなんて。超優秀! やっぱり店長はボクじゃなくてかずちゃんの方がよかったんじゃない? マミーもそうしたがってたのに、かずちゃんが変に遠慮するから」
「遠慮じゃなくて、当然だって。私なんかまだ働きはじめてそんなに経ってないのに、店長なんて荷が重い。どう考えてもずっと叔母さんを支えてきた啓くんが適任でしょ」
いつもの南国のノリで冗談を言う啓に、和葉は苦笑する。
「いやいやマジで。かずちゃんをパンケーキ屋に誘ったのはかずちゃんが困ってたからだけど、こんなに優秀だとは思わなかった、ラッキーだったってマミーいつも言ってるよ」
お世辞だとしても、そう言ってもらえるのが嬉しくて、和葉はますますやる気になった。
「今日どうする? このままマンションへ行く? それともご飯食べてく?」
啓からの問いかけに和葉はうーんと考える。
時刻は午後二時、今日の予定はマンションへ行くだけだ。とはいっても荷物は事前に送ってあって到着してるという話だから、荷解きをしなければならないが。
「お昼は機内食が出たから大丈夫。それより、出店予定のフードコートが見たいかも」
「わ、仕事熱心、日本人って感じ。やっぱりかずちゃんが店長やってよ」
「ついでに見るだけだって。樹の保育園が始まるまでは、あんまり動けないし、できることはしておかないと」
啓につられて歩き出して、和葉は自分たちがエレベーターがある方向とは反対に向かっていると気がついた。彼は先に現地を見ているが、まだ空港全体のマップを把握していないようだ。
「啓くん、エレベーターこっちだよ」
「お店楽しみにしてますね」
ふたりは、空港出口の方向へ去っていった。
彼女たちの勘違いに和葉は少し気まずい思いになるが、その場限りの相手にわざわざ訂正しない。普通はそう思うだろう。
それよりも『お店』という言葉に首を傾げる啓に和葉は機内で交わした会話を説明する。
「機内で隣になった方。偶然なんだけどね、旅行中にうちの店に来てくださったみたいなの。で、日本にもオープンするんですよって話をして」
「そうなんだ。さすがはかずちゃん! 帰国前から宣伝してるなんて。超優秀! やっぱり店長はボクじゃなくてかずちゃんの方がよかったんじゃない? マミーもそうしたがってたのに、かずちゃんが変に遠慮するから」
「遠慮じゃなくて、当然だって。私なんかまだ働きはじめてそんなに経ってないのに、店長なんて荷が重い。どう考えてもずっと叔母さんを支えてきた啓くんが適任でしょ」
いつもの南国のノリで冗談を言う啓に、和葉は苦笑する。
「いやいやマジで。かずちゃんをパンケーキ屋に誘ったのはかずちゃんが困ってたからだけど、こんなに優秀だとは思わなかった、ラッキーだったってマミーいつも言ってるよ」
お世辞だとしても、そう言ってもらえるのが嬉しくて、和葉はますますやる気になった。
「今日どうする? このままマンションへ行く? それともご飯食べてく?」
啓からの問いかけに和葉はうーんと考える。
時刻は午後二時、今日の予定はマンションへ行くだけだ。とはいっても荷物は事前に送ってあって到着してるという話だから、荷解きをしなければならないが。
「お昼は機内食が出たから大丈夫。それより、出店予定のフードコートが見たいかも」
「わ、仕事熱心、日本人って感じ。やっぱりかずちゃんが店長やってよ」
「ついでに見るだけだって。樹の保育園が始まるまでは、あんまり動けないし、できることはしておかないと」
啓につられて歩き出して、和葉は自分たちがエレベーターがある方向とは反対に向かっていると気がついた。彼は先に現地を見ているが、まだ空港全体のマップを把握していないようだ。
「啓くん、エレベーターこっちだよ」