裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
もしあの時、和葉が告白をしなければ、自分は一生彼のそんな一面を見ることはなかったのではないだろうか。
兄妹のような関係のままなら、あんなことは起きなかった。彼だって本当は、幼なじみ相手にあんなことをしたくなかったかもしれないのに。
あの時、和葉が打算に目がくらみ告白なんてしたから……。
家柄が釣り合うことを武器に、彼と結婚したいと願ったずるい自分。
そんな自分に彼を責める資格があるのだろうか?
傷つき苦しんだのは、自分自身のせいなのではないだろうか?
もちろんその結果、樹を授かったのだから後悔はしていない。
ただ、だとしたら、この苦しみは甘んじて受け入れるべきなのだと今は思う。
自分にははじめから、愛される道も、彼の結婚相手としての道も用意されてなかったのだ。それでも彼との子を授かりこうして育てているのだから、これが最良な状況だ。
これ以上なにかを望んではいけない。
——いけないのだけれど……。
パソコンをシャットダウンさせてパタンと閉じると、遼一が携帯から顔を上げる。
「もう仕事はいいのか?」
「うん、ちょっと資料を見てただけだし。やっぱりコーヒー淹れるね」
和葉は立ち上がりキッチンでふたり分のコーヒーを淹れる。湯気がたったマグカップをふたつリビングのセンターテーブルにコトリと置くと遼一が「ありがとう」と微笑んだ。
隣に座り自分のマグカップを取りひと口飲む。
遼一が、今まで見ていたと思しき携帯の画面を和葉に向けた。
「これ、和葉の店だろ?」
WEBマガジンのページだった。
「あ、もう配信してるんだ」
啓が奔走していた雑誌の特集だ。無事に載ったようだ。
『ハワイ発! 大ボリュームのパンケーキ』というタイトルと店舗の写真をバックにトッピングされたカラフルなパンケーキの写真。端っこには大きなコテを両手に持ってニカッと笑う啓までいる。
日焼けしたマッチョな店員さんが甘いパンケーキを焼いているというミスマッチも売りにしているようだ。
「啓、写真写りいいな。これだと店にいる時間をもっと増やしてもらわないと」
画面を見て笑っていると、遼一が申し訳なさそうな表情になった。
「彼には失礼なことを言った。一度直接謝罪したい」
一瞬なんの話かと首を傾げて、和葉が貧血になった日の話だと気がついた。
「大丈夫だよ。啓にはあの時すぐに私から謝ったし。まったく気にしてなかったからもう忘れてるんじゃないかな?」
「だが……」
「それに直接ってたぶん啓もびっくりすると思う。私もなんて紹介したらいいかわからないし」
兄妹のような関係のままなら、あんなことは起きなかった。彼だって本当は、幼なじみ相手にあんなことをしたくなかったかもしれないのに。
あの時、和葉が打算に目がくらみ告白なんてしたから……。
家柄が釣り合うことを武器に、彼と結婚したいと願ったずるい自分。
そんな自分に彼を責める資格があるのだろうか?
傷つき苦しんだのは、自分自身のせいなのではないだろうか?
もちろんその結果、樹を授かったのだから後悔はしていない。
ただ、だとしたら、この苦しみは甘んじて受け入れるべきなのだと今は思う。
自分にははじめから、愛される道も、彼の結婚相手としての道も用意されてなかったのだ。それでも彼との子を授かりこうして育てているのだから、これが最良な状況だ。
これ以上なにかを望んではいけない。
——いけないのだけれど……。
パソコンをシャットダウンさせてパタンと閉じると、遼一が携帯から顔を上げる。
「もう仕事はいいのか?」
「うん、ちょっと資料を見てただけだし。やっぱりコーヒー淹れるね」
和葉は立ち上がりキッチンでふたり分のコーヒーを淹れる。湯気がたったマグカップをふたつリビングのセンターテーブルにコトリと置くと遼一が「ありがとう」と微笑んだ。
隣に座り自分のマグカップを取りひと口飲む。
遼一が、今まで見ていたと思しき携帯の画面を和葉に向けた。
「これ、和葉の店だろ?」
WEBマガジンのページだった。
「あ、もう配信してるんだ」
啓が奔走していた雑誌の特集だ。無事に載ったようだ。
『ハワイ発! 大ボリュームのパンケーキ』というタイトルと店舗の写真をバックにトッピングされたカラフルなパンケーキの写真。端っこには大きなコテを両手に持ってニカッと笑う啓までいる。
日焼けしたマッチョな店員さんが甘いパンケーキを焼いているというミスマッチも売りにしているようだ。
「啓、写真写りいいな。これだと店にいる時間をもっと増やしてもらわないと」
画面を見て笑っていると、遼一が申し訳なさそうな表情になった。
「彼には失礼なことを言った。一度直接謝罪したい」
一瞬なんの話かと首を傾げて、和葉が貧血になった日の話だと気がついた。
「大丈夫だよ。啓にはあの時すぐに私から謝ったし。まったく気にしてなかったからもう忘れてるんじゃないかな?」
「だが……」
「それに直接ってたぶん啓もびっくりすると思う。私もなんて紹介したらいいかわからないし」