裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
啓には元上司と伝えたし、こうして今も会っていることは言っていない。その辺りの微妙な事情を察したのか、遼一は引き下がった。
「……じゃあ、機会があれば。ただ俺が申し訳なかったと言っていたことは伝えてほしい」
「うん、伝えとく」
律儀な人だ。そもそも啓を夫だと誤解したのは和葉に嘘をつかれていたのが原因なのに。
「それに遼一からの指摘で、私たち社員の働き方も見直そうってことになったんだから、ああ言ってくれてよかったよ。じゃなきゃ、店もどうなってたかわからないし」
あの時あのまま和葉が無理をし続けていたら、どこかで倒れていただろう。そしたら店もここまで順調にはいかなかったかもしれない。
「……私もちょっと反省した。経験がなかったからわからなかったけど、店を回すって誰かが無理をしてる状態はダメだね。気をつけなきゃ」
そこで和葉は、遼一がにっこりと笑って聞いているのに気がついて、首を傾げた。
「……なに?」
「いや、店の評判は俺も聞くよ。CAたちの間でも話題になってるから。インパクトがあるだけじゃなくて味もうまい。リピートしてるって」
「え? 本当に? よかった〜」
CAたちは仕事で世界各地へ行くから、舌の超えている者も多い。そこで評判だというのは嬉しい。
「今度、福岡にも出店しようかって話になってるんだ。さっきその資料を見てたの」
「まだ半年も経っていないのにもうそういう話が出てるのか」
和葉はふふふと笑った。
「すごいでしょ。でも正直言ってここまで上手くいくとは思わなかったんだよ。空港内だから立地はいいとは言えないし、SNS上で宣伝するっていうのが当たったかな。あと、こっちで入ってもらったアルバイトの子が、すごくしっかりしてたっていうのもあるな。やっぱり人材って大切なんだね」
視線の先で遼一が目を細めるのに気がついて、和葉は口を閉じる。
「……ごめん、こんな話面白くないよね」
彼がここへ来ているのは樹に会うためなのだ。和葉の仕事になど、興味ないはず。社交辞令的に話題を振っただけなのに、どれだけ話すのだと思われただろうか。
遼一がふっと笑った。
「面白いよ。続けて」
ビーズクッションに身を預けて心底リラックスしたように彼は笑う。
その言葉に、和葉の胸がどきんと大きく音を立てた。
恋人同士だった頃も彼はよくこうやって和葉の話を聞きたがった。友達とのやり取りや、最近見た映画の話、ハマっているドラマのこと。内容も面白いけれど、なにより和葉が楽しそうに話しているところを見るのが好きなのだと言って。
「……じゃあ、機会があれば。ただ俺が申し訳なかったと言っていたことは伝えてほしい」
「うん、伝えとく」
律儀な人だ。そもそも啓を夫だと誤解したのは和葉に嘘をつかれていたのが原因なのに。
「それに遼一からの指摘で、私たち社員の働き方も見直そうってことになったんだから、ああ言ってくれてよかったよ。じゃなきゃ、店もどうなってたかわからないし」
あの時あのまま和葉が無理をし続けていたら、どこかで倒れていただろう。そしたら店もここまで順調にはいかなかったかもしれない。
「……私もちょっと反省した。経験がなかったからわからなかったけど、店を回すって誰かが無理をしてる状態はダメだね。気をつけなきゃ」
そこで和葉は、遼一がにっこりと笑って聞いているのに気がついて、首を傾げた。
「……なに?」
「いや、店の評判は俺も聞くよ。CAたちの間でも話題になってるから。インパクトがあるだけじゃなくて味もうまい。リピートしてるって」
「え? 本当に? よかった〜」
CAたちは仕事で世界各地へ行くから、舌の超えている者も多い。そこで評判だというのは嬉しい。
「今度、福岡にも出店しようかって話になってるんだ。さっきその資料を見てたの」
「まだ半年も経っていないのにもうそういう話が出てるのか」
和葉はふふふと笑った。
「すごいでしょ。でも正直言ってここまで上手くいくとは思わなかったんだよ。空港内だから立地はいいとは言えないし、SNS上で宣伝するっていうのが当たったかな。あと、こっちで入ってもらったアルバイトの子が、すごくしっかりしてたっていうのもあるな。やっぱり人材って大切なんだね」
視線の先で遼一が目を細めるのに気がついて、和葉は口を閉じる。
「……ごめん、こんな話面白くないよね」
彼がここへ来ているのは樹に会うためなのだ。和葉の仕事になど、興味ないはず。社交辞令的に話題を振っただけなのに、どれだけ話すのだと思われただろうか。
遼一がふっと笑った。
「面白いよ。続けて」
ビーズクッションに身を預けて心底リラックスしたように彼は笑う。
その言葉に、和葉の胸がどきんと大きく音を立てた。
恋人同士だった頃も彼はよくこうやって和葉の話を聞きたがった。友達とのやり取りや、最近見た映画の話、ハマっているドラマのこと。内容も面白いけれど、なにより和葉が楽しそうに話しているところを見るのが好きなのだと言って。