裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
「今からお昼なんだけど……ここのパンケーキってひとりじゃちょっと多いよね」
「そうですね。ひとりだとちょっときついかもしれないです」
「だよね、……うーん。どうしようかな? あ、橘さん、よかったらランチシェアしません?」
歩美はそう言って、コーヒーを手に少し離れた場所で彼女を待っている遼一を振り返る。
遼一がちらりとこちらを見た。
「俺はいい」
「ですよね。うーん、やっぱりひとりでは無理そうだし、ごめん、パンケーキはまた今度!」
にべもなく答える遼一に、歩美は肩をすくめて、トロピカルジュースをオーダーする。そしてふたり並んで去っていった。
冷たい彼の横顔に、和葉の胸がズキンとなった。
久しぶりに見る彼の冷徹な一面は、目の当たりにするとやはり傷つく。以前なら、反発を覚えただろうけれど、今の自分は見ておかなくてはいけないのだと思い直した。
「はぁ、やっぱりできる女って感じですね」
歩美を覚えていたのだろう。仁美がため息をついた。
「だね、本当にすごい人だよ。仕事では厳しいんだけど、プライベートも気にかけてくれたし。私が目標にしてる先輩なんだ」
「そんな感じがします。でも、私は和葉さんの方がいいな」
「え? 私?」
「そう。和葉さんが優しくおしえてくれたから、私、頑張れたんだと思います。私の目標は和葉さんです」
「……嬉しいけど、それは買い被りすぎかも」
キラキラとした目で見つめられて、少し気まずい気持ちになる。
仕事中の姿だけを見たらそう思うかもしれないけど……。
少し前の休日に、遼一キスしたことが頭に浮かんだ。
あの時、話があると言った彼を遮るようにキスをした。夢中になっているうちに樹が起きたので、うやむやになったのだ。
その一回でやめておけばよかったのに、夜、樹を寝かせてからの帰り際、玄関でまたキスを交わしたのだ。
言葉はなく、どうしてそうなったのかわからないけれど、彼が積極的に和葉との関係を深めたいと思うはずはないから、きっと自分が望んだのだろう。
彼はそれに応えただけ。
その証拠に、部屋を出る際彼は昼間と同じようにもの言いたげな表情になった。けれど、和葉は視線で拒否をした。
そしてそれから、彼がマンションを訪れた時は、毎回帰り際、玄関でキスを交わしている。また、傷つくとわかっているのに求めてしまう。
誰にも言えないことをしている。
——全然、目標にしてもらえるような人間じゃないよね。
そんなことを考えて和葉はため息をついた。
「そうですね。ひとりだとちょっときついかもしれないです」
「だよね、……うーん。どうしようかな? あ、橘さん、よかったらランチシェアしません?」
歩美はそう言って、コーヒーを手に少し離れた場所で彼女を待っている遼一を振り返る。
遼一がちらりとこちらを見た。
「俺はいい」
「ですよね。うーん、やっぱりひとりでは無理そうだし、ごめん、パンケーキはまた今度!」
にべもなく答える遼一に、歩美は肩をすくめて、トロピカルジュースをオーダーする。そしてふたり並んで去っていった。
冷たい彼の横顔に、和葉の胸がズキンとなった。
久しぶりに見る彼の冷徹な一面は、目の当たりにするとやはり傷つく。以前なら、反発を覚えただろうけれど、今の自分は見ておかなくてはいけないのだと思い直した。
「はぁ、やっぱりできる女って感じですね」
歩美を覚えていたのだろう。仁美がため息をついた。
「だね、本当にすごい人だよ。仕事では厳しいんだけど、プライベートも気にかけてくれたし。私が目標にしてる先輩なんだ」
「そんな感じがします。でも、私は和葉さんの方がいいな」
「え? 私?」
「そう。和葉さんが優しくおしえてくれたから、私、頑張れたんだと思います。私の目標は和葉さんです」
「……嬉しいけど、それは買い被りすぎかも」
キラキラとした目で見つめられて、少し気まずい気持ちになる。
仕事中の姿だけを見たらそう思うかもしれないけど……。
少し前の休日に、遼一キスしたことが頭に浮かんだ。
あの時、話があると言った彼を遮るようにキスをした。夢中になっているうちに樹が起きたので、うやむやになったのだ。
その一回でやめておけばよかったのに、夜、樹を寝かせてからの帰り際、玄関でまたキスを交わしたのだ。
言葉はなく、どうしてそうなったのかわからないけれど、彼が積極的に和葉との関係を深めたいと思うはずはないから、きっと自分が望んだのだろう。
彼はそれに応えただけ。
その証拠に、部屋を出る際彼は昼間と同じようにもの言いたげな表情になった。けれど、和葉は視線で拒否をした。
そしてそれから、彼がマンションを訪れた時は、毎回帰り際、玄関でキスを交わしている。また、傷つくとわかっているのに求めてしまう。
誰にも言えないことをしている。
——全然、目標にしてもらえるような人間じゃないよね。
そんなことを考えて和葉はため息をついた。