裏切りパイロットは秘めた熱情愛をママと息子に解き放つ【極上の悪い男シリーズ】
入り口に近づくと、機内ではNANAの制服を着たCAがにこやかに乗客を出向かえるべく待っている。和葉の知らない顔だった。歩み寄り、彼女の隣にもうひとりある人物がいるのに気がついて和葉は思わず立ち止まる。
遼一だったからだ。
パイロットの制服を身につけている。と、いうことは、今日の便の機長は彼なのか。彼の方は特に驚いた様子はなく、穏やかな笑みを浮かべて和葉と樹を待っている。
「こんにちは!」
CAに声をかけられて、和葉は再び歩き出した。
普段とは服装が違うけれど、樹にも遼一だということはわかるようだ。
「おー! あっぱ!」
小さな指を指している。
和葉は一瞬ドキッとする。
けれど遼一の方は落ち着いていて、小さな樹の手と握手した。
「ご搭乗ありがとうございます。快適な空の旅をお楽しみください」
低くてよく通る声で視線を合わせて丁寧に挨拶をする。
まさか親子だとは思わないのだろう、隣のCAが微笑ましいという様子でふふふと笑った。
パイロットに憧れる子供が、彼らを見て喜びパイロットたちがそれに快く応えるのは、空港ではよくある光景だ。
和葉はぺこりと頭を下げて、機内に乗り込む。和葉たちの乗る便の時間は伝えていたから、きっと彼は知っていたのだろう。
だったらおしえてくれればよかったのにと思いながら振り返ると、いたずらが成功したかのような得意げな表情の彼と目が合った。
もしかしたら、偶然ではないのかもしれない。
いずれにしても、わざと言わなかったのだろう。
座席に着くと、樹はさっそく窓にかじり付く。最近は航空機以外にも空港で使われいる車両にも興味があって、さっそく牽引車を見つけてニマニマとしている。
やがてすべての乗客を乗せ終えると、航空機はドアを閉じて滑走路へ移動するため、ゆっくりと動き出した。
これから、遼一が操縦桿を握る航空機で飛ぶのだという思いがじわじわと湧いてきて、胸が弾むのを感じた。
けれど、樹と隣の席の女性がハンカチを顔に当てて目を閉じているのに気がついて、眉を寄せた。
顔色が悪い。気分でも悪いのだろうか?
「大丈夫ですか?」
声をかけると、こちらを見て弱々しく笑った。
遼一だったからだ。
パイロットの制服を身につけている。と、いうことは、今日の便の機長は彼なのか。彼の方は特に驚いた様子はなく、穏やかな笑みを浮かべて和葉と樹を待っている。
「こんにちは!」
CAに声をかけられて、和葉は再び歩き出した。
普段とは服装が違うけれど、樹にも遼一だということはわかるようだ。
「おー! あっぱ!」
小さな指を指している。
和葉は一瞬ドキッとする。
けれど遼一の方は落ち着いていて、小さな樹の手と握手した。
「ご搭乗ありがとうございます。快適な空の旅をお楽しみください」
低くてよく通る声で視線を合わせて丁寧に挨拶をする。
まさか親子だとは思わないのだろう、隣のCAが微笑ましいという様子でふふふと笑った。
パイロットに憧れる子供が、彼らを見て喜びパイロットたちがそれに快く応えるのは、空港ではよくある光景だ。
和葉はぺこりと頭を下げて、機内に乗り込む。和葉たちの乗る便の時間は伝えていたから、きっと彼は知っていたのだろう。
だったらおしえてくれればよかったのにと思いながら振り返ると、いたずらが成功したかのような得意げな表情の彼と目が合った。
もしかしたら、偶然ではないのかもしれない。
いずれにしても、わざと言わなかったのだろう。
座席に着くと、樹はさっそく窓にかじり付く。最近は航空機以外にも空港で使われいる車両にも興味があって、さっそく牽引車を見つけてニマニマとしている。
やがてすべての乗客を乗せ終えると、航空機はドアを閉じて滑走路へ移動するため、ゆっくりと動き出した。
これから、遼一が操縦桿を握る航空機で飛ぶのだという思いがじわじわと湧いてきて、胸が弾むのを感じた。
けれど、樹と隣の席の女性がハンカチを顔に当てて目を閉じているのに気がついて、眉を寄せた。
顔色が悪い。気分でも悪いのだろうか?
「大丈夫ですか?」
声をかけると、こちらを見て弱々しく笑った。