(番外編集)それは麻薬のような愛だった
そんな言葉に、一人の男子が「はあ?」と怪訝な顔をする。
「お前らだって俺らのこと査定してるだろ?天城見てはキャーキャーやかましく騒ぐくせに」
「うっさいなあ。断トツでかっこいいんだから当然でしょ。男の嫉妬は醜いよ?」
挑発に挑発で返す友人に、一応はやめときなよと止めに入った。
けれどそれもあまり意味をなさず睨み合う両者にため息を吐きながら、私はその杜川さんを見る。
1年の時に同じクラスだったから、彼女のことは名前くらいは知っていた。
ただ、確かに顔はかわいらしいけれど、どこか野暮ったいというか。根暗ではないけれど地味で大人しい感じだし、全くといっていいほど関りがない。
良くも悪くも無害というか。とにかく何かと印象の薄い子だ。
男子の言った通り、よく見れば華奢な体のわりに出るところは出て締まるところは締まっている。
私もスタイルは良いほうだけど、彼女とはタイプが違う。私は全身が細身でスレンダーな体型だが、男子が好むのは恐らくあちらの方だろう。
守ってあげたい雰囲気とでもいうのか。つくづく私とは気が合わなそうだなと思った。
「ねえ、ていうか伊澄は?」
そう尋ねたのは私。今現在の彼女である私が伊澄の所在を知りたがるのは当たり前で、友人とバチバチしていた男子も特にそれには突っかかってはこなかった。
「水分補給。もうすぐ来るんじゃねえの」
「そう…」
「お、噂をすればなんとやら、だな」