(番外編集)それは麻薬のような愛だった


その言葉通り、見れば伊澄がこちらに向かって歩いてきていた。


「天城ぃ、彼女がお前の事探してたぞ」


男子の揶揄うような言葉に伊澄は何も答えることなく一瞥し、そのまま私の前に立った。


「なに」


愛想もなにもないぶっきらぼうな一言。けれどその面の良さだけで、私はうっかりときめいてしまった。


「な、なんでもないの。ただ何処にいるのかなーって思っただけで」

「あっそ」


伊澄がそう言うと同時、彼の肩にガッと太い腕が回された。


「天城、お前だって男だよな!?」

「はあ?うっぜ、腕離せや」


鬱陶しげに回された腕を払いのけながら、伊澄は怪訝そうな顔でまとわりつく男子を睨んだ。


「俺がちょっと女子にスタイル良いっていったらこいつらゴミ見るみたいな目してくるんだよ。ひどくねえ?」

「ちょとじゃないでしょ!思いっきり胸でかいとか言ってたじゃない!」


伊澄が来たからなのか、少し声色を上げて返事をする友人は自分は悪くないと主張する。

どうでもいいと吐き捨てそうな話題だなと思いながら見ていると、案の定伊澄は「くだらねえ」とひとこと言い放った。


「しょうもねえ話に巻き込むな」

「なんだよ。女をとっかえひっかえしてるやつが今更良い奴ぶんなって」

「ちょっと!彼女の前で何てこと言うのよ!」


そう言って身を乗り出したのは私ではなく友人。なんていう変わり身の早さだ。私には「長く続くといいね」なんて嘲笑っていたくせに。

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