(番外編集)それは麻薬のような愛だった
いちごとの新しい生活が始まり、まずは家に慣れてもらうところからゆっくりと進めた。
ケージやサークル内で安心できる環境を整えて、慣れてきた頃からはトイレトレーニングや予防接種を進める。そうしているうちに日々はあっという間に過ぎ、気づけばいちごが家族の一員となり1ヶ月が過ぎていた。
そしてとある日曜日の朝、日課となった朝の散歩に紬と一緒に出ようとした時に伊澄から声をかけられた。
「俺も行く」
「えっ?」
驚いて見上げると、いつのまにか着替えた伊澄が玄関に出てきていた。
「無理しなくていいよ?昨日も仕事だったでしょう?」
心配そうに雫が言うも、伊澄は首を横に振った。
「日曜は家族全員で。約束したろ」
相変わらず優秀な伊澄は多忙で、散歩に同行できる機会は少ない。普段は率先して世話をしたがる紬と雫で散歩をさせているが、いちごを迎えての初めての週末、伊澄がそう提案してきた。
「それはそうだけど…けど、昨日も仕事だったし、疲れてるでしょう?」
土曜だというのに急な案件に駆り出されていた伊澄に気を遣い、雫がそう言うも伊澄はそれを聞き入れるつもりはないようだった。
「俺が、お前達と過ごしたいんだよ」
「いっちゃん…」
ぶっきらぼうな言葉であるのに、とくんと温かい鼓動が胸を打つ。