【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 それには養護院にいる子どもの性別、年齢、人数が書かれ、それとは別に学校へ通っている子どもたちの情報も記載されている。貴族の子ではなく、商人の子、農民の子、下働きの子、といった平民の子たちがほとんどだ。
 教育内容は、基本的な読み書き計算、それにくわえ剣術まで教えているという。
「身分など関係のないところだからな。学びたい者が自由に学べる。そこで、自分でも気づかぬ能力が開花するというわけだ」
「しかし、それには優秀な教師が必要だと思いますが? たかが民間の、まして養護院で教えるような教師にそこまでできるとは思いません」
「だからだよ。そこに書いてあるだろう? 優秀な教師の情報が」
 指摘され、学校の概要に目を通す。そこに書かれた教師の名――。
「……シア?」
 ジェイラスの心臓がドクンと大きく震えた。
「二年、三年前か? どうやらモンクトン夫人が連れてきた女性らしい。ところで、おまえの恋人の名前はなんだったかな?」
「……アリシア、です」
「その恋人がいなくなった時期は?」
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