【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「三年前……殿下が結婚された翌日……。いや、だが、しかし……なんで?」
「落ち着け。まだ本人と決まったわけではない」
 ランドルフは、大げさに息を吐いた。
「で、殿下。行きましょう、今すぐ行きましょう。サバドへ行き、すぐさま確認する必要があります」
「だから、落ち着け」
 バンッ! とランドルフが平手で机の上を叩いた。
「どちらにしろ、三日後にはサバドに向かう。その養護院、学校も視察の対象だ。そのシアという女性教師が、本当におまえの恋人かどうかは、おまえが見極めろ。だがな……」
 ランドルフは半ば呆れた様子で、言葉を続ける。
「騎士団を休職して、商会の仕事をしている。これは、騎士団の職務違反だろう?」
「彼女はそのような女性ではありません」
「落ち着け!」
 ランドルフが再び力強く机を叩いた。
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