【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「剣術だって、素人ではないだろう? あれは訓練された動きだ。しかし、三年も民間人をやっていたとは思えないような動きだったな」
「彼女は身が軽い分、動きが速いんですよ。基礎を怠っていない証拠です。力で負かそうと思っている奴らは、昔からやられていましたね」
ジェイラスは、たまに訓練中の彼女の様子をのぞきにいった。同じような女性騎士に囲まれれば、特別目立った容姿もしていないアリシアだったが、遠目であってもすぐに彼女を見つけられた。
「それで……? 愛しの恋人と再会できたおまえは、なぜ、そんなに落ち込んでいる?」
ランドルフの言葉の節々からは、試すような含みを感じる。
「落ち込みますよね? 殿下も気づいたでしょう?」
「何をだ?」
「彼女は記憶を失っている。俺のことを覚えていない」
その事実に胸が締めつけられるように痛んだ。その痛みに耐え、ジェイラスはやっと顔をあげた。脱力した表情でランドルフを見るが、彼の眼差しは真剣そのもので「そのようだな」と呟く。
「彼女は身が軽い分、動きが速いんですよ。基礎を怠っていない証拠です。力で負かそうと思っている奴らは、昔からやられていましたね」
ジェイラスは、たまに訓練中の彼女の様子をのぞきにいった。同じような女性騎士に囲まれれば、特別目立った容姿もしていないアリシアだったが、遠目であってもすぐに彼女を見つけられた。
「それで……? 愛しの恋人と再会できたおまえは、なぜ、そんなに落ち込んでいる?」
ランドルフの言葉の節々からは、試すような含みを感じる。
「落ち込みますよね? 殿下も気づいたでしょう?」
「何をだ?」
「彼女は記憶を失っている。俺のことを覚えていない」
その事実に胸が締めつけられるように痛んだ。その痛みに耐え、ジェイラスはやっと顔をあげた。脱力した表情でランドルフを見るが、彼の眼差しは真剣そのもので「そのようだな」と呟く。