【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 おどけた口調でほんの少し舌先を出すコリンナは、どこか憎めない。
「まま~」
 シアが戻ったのを聞きつけたのか、ヘリオスが走ってきてひしっと抱きついてきた。
「リオは今日もお利口にしていたかしら?」
「リオ、おりこうよ。おうち、かえるよ」
 いつもであればもっとシェリーと遊びたいと言うのに、ここ数日はシアにべったりのヘリオスだ。
「わかったわ、帰りましょう。だけどママ、この姿では帰れないから、お着替えが終わるまで待っていてね」
 さすがにコリンナから借りたドレス姿のまま、外を出歩きたくない。このままでは変に目立ってしまう。
「コリンナ、ありがとう。これ、洗濯して返すわね」
「そうね。だけど、私は思ったの。そのドレス、シアには似合うけれど、私には似合わないの。だから今日、私が無理言って仕事を引き受けてくれた分、もらってくれない? あ、もちろん今日の仕事は契約外になるから、いつもの給金にも上乗せするわ」
「え?」
 コリンナの突然の提案に、シアは目を丸くする。
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