【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「もしかして、シア。今日の王太子殿下の視察同行の件、仕事だとは思っていなかった?」
「あ、はい。そうですね」
「もう、しっかりしてちょうだい。シアは学校で教師をしているけれども、モンクトン商会の人間なのよ。商会に対してプラスの働きをしたのだから、きちんと報酬をもらう必要があるでしょう?」
 まだ呆けているシアの肩をぽんぽんと叩いたコリンナだが、シアの着替えを手伝うようにと、使用人たちに指示を出していた。
 着慣れぬドレスは一人で脱ぎ着ができないから、手伝ってもらえるのであれば助かる。
 着替えを済ませたシアは、コリンナからドレスを受け取って帰ろうとするが、やはりヘリオスは不機嫌なままだった。
 仕方なくシアがヘリオスを抱き上げると、どこにいたのかフランクがやってきて「送っていきます」と声をかけてきた。
「リオ。ママが重いだろう? 僕のところにおいで」
「やっ」
「肩にのせてあげるよ?」
「やっ」
 ヘリオスはシアの服にしがみついたまま、頑なにフランクの誘いを拒んでいる。
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