【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「はい」
「そうか。だったらもう寝なさい。灯りは俺が消しておく」
 子どもをあやすような言い方だが、シアはその言葉に素直に従うことにした。
 頭の奥がズキズキと痛み、瞼も重くなっていた。
「はい。ありがとうございます。おやすみなさい」
 シアは身体を横にして、目を閉じた。
 室内はシンと静まり、時を刻む音がどこからか聞こえてくる。その音が、シアを夢の世界へと誘うかのよう。
 人が動く気配がし、カチリと魔石ランプの明かりも消えた。闇が部屋を包み込み、静かに扉が閉ざされる音が響く。ジェイラスの足音が遠ざかり、シアは深い眠りに落ちていった。
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