【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「もしかして、ジェイラスさんは……昔から私のことを知っていますか?」
ジェイラスがひゅっと息を呑み、紫色の瞳を大きく見開いた。その反応は、シアの言葉が核心を突いたことを物語っていた。
「あの……会長から聞いているかもしれませんが……。私は、自分に関することの記憶がありません。気がついたら、会長の屋敷で寝ていました。どうやら、コリンナやシェリーと一緒に王都からサバドへ向かっていたようなのですが……それまでの記憶がまったくないのです。名前も年もなんのためにサバドへ行こうとしていたのか、王都で何をしていたのか、まったくわかりません」
シアの声がむなしく響き、ジェイラスは耳を傾ける。しかし彼は、口を真っすぐに結んだまま、何も言わない。
「ここに来てから二ヶ月くらい経ってから妊娠がわかって……自分がなんで子どもを授かったのかわからなくて……それでもコリンナたちがいてくれたから、生む決心をしました。結果論かもしれませんが、あのとき、子どもをあきらめなくてよかったと思っています。ヘリオスがいてくれるから、なんとかこうして生活できています」
ジェイラスは何か言いかけようと口を開く。少し息を止めてから「そうか……」と吐息と共に言葉を吐き出した。その声には、抑えた感情がにじんでいた。
ジェイラスがひゅっと息を呑み、紫色の瞳を大きく見開いた。その反応は、シアの言葉が核心を突いたことを物語っていた。
「あの……会長から聞いているかもしれませんが……。私は、自分に関することの記憶がありません。気がついたら、会長の屋敷で寝ていました。どうやら、コリンナやシェリーと一緒に王都からサバドへ向かっていたようなのですが……それまでの記憶がまったくないのです。名前も年もなんのためにサバドへ行こうとしていたのか、王都で何をしていたのか、まったくわかりません」
シアの声がむなしく響き、ジェイラスは耳を傾ける。しかし彼は、口を真っすぐに結んだまま、何も言わない。
「ここに来てから二ヶ月くらい経ってから妊娠がわかって……自分がなんで子どもを授かったのかわからなくて……それでもコリンナたちがいてくれたから、生む決心をしました。結果論かもしれませんが、あのとき、子どもをあきらめなくてよかったと思っています。ヘリオスがいてくれるから、なんとかこうして生活できています」
ジェイラスは何か言いかけようと口を開く。少し息を止めてから「そうか……」と吐息と共に言葉を吐き出した。その声には、抑えた感情がにじんでいた。