【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「いや。それはそれで、俺も楽しんでいるから」
 照れた仕草は、彼をぐっと幼く見せる。
「お茶でも飲みますか?」
「ありがとう、いただく」
 彼が笑って答え、シアも自然と微笑み返していた。
 お茶を用意し、シアはジェイラスの向かい側に座った。
 二人きりの時間は、いつもヘリオスが寝た後。特別なことをするわけではない。ただ、お茶を飲みながら他愛のない話を交わすだけ。話題の中心は、たいていヘリオスになる。
「ジェイラスさんは、アリシアさんのどこが好きなんですか?」
 シアが尋ねると、ジェイラスはぶほっと咳き込んだ。
「きゅ、急に、どうしたんだ?」
「あ、いえ……話を聞けば、何か思い出すかなと思ったのですが」
< 231 / 375 >

この作品をシェア

pagetop