【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 ドッドッドッと早馬が駆けるように心臓が跳ね、熱い血液が全身を満たしていく。
 誰かに指を舐められるなんて、シアの記憶にはない。淫らな感触なのに、嫌ではなかった。
 ジェイラスの顔は真剣そのもの。じっとシアから視線を逸らさず、その表情を見ながら、ちゅぷちゅぷと音を立てて指を愛でている。人差し指を堪能した後は中指に移り、指と指の間にも舌を這わす。
 シアの身体は、未知の感覚にふるりと震えた。
 この淫猥な戯れに終わりはくるのだろうか。
 このまま全身を舐め尽くされるのではないだろうか。
 その考えに、心が乱れる。
 突然、寝室から子供の泣き声が響いた。ヘリオスだ。
「お、俺が様子をみてくる」
 慌ててシアの手を解放したジェイラスは、立ち上がって寝室へと向かった。
 一人残されたシアは、濡れた指を呆然と見つめた。ランプの光によって、それは淫靡に輝いていた。
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