【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 その結果、アリシアは魔法によって記憶を操作されているとのこと。しかもヘバーリア国の術式の一つ、呪詛となれば、狙いは彼女が持つ情報に違いない。
 どこでその呪詛を受けたのかわからないが、ボブたちの話から推測するに、王都からサバドへの移動中と考えるのが無難だ。アリシアがサバドに向かうことを知ったヘバーリアの人間が、彼女を狙ったのだろう。
 しかもその術式の解除には、エイミでさえ五日を要するらしい。彼でなければそれ以上、いや解除などできなかっただろう。ホーガンではお手上げだと言う。
 その五日間、アリシアにはできるだけ部屋から出ないようにと言ってはみたが、元気な二歳児を抱えて引きこもりは大変なようだ。
 それを見越していたのか、ランドルフは庭であれば外に出る許可を出した。そこには王族専用の庭園も含まれ、子ども用の遊具もおいてある。これはアンドリュー王子のために作られた場所だが、すっかりと王子と仲良くなったヘリオスもそこへの立ち入りが許されていた。
 ジェイラスには密かな夢があった。
 それは自分の子が、自分と同じように王族の護衛につくこと。むしろランドルフの子だ。というのも、当時、死んだ魚の目とか精気が宿らぬ人間とか散々言われたジェイラスにとって、ランドルフの存在が唯一の生きる意味だったから。
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