【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 魔法具は人々の生活を豊かにするもの。しかし呪具は、戦争の道具だったり犯罪に使われたりする。もちろん、魔法具だって使い方を帰れば、戦争や犯罪に使われることだってある。だから魔法具は、売買に関して厳しく管理されており、戦争や紛争が続く地域とのやりとりは禁止されている。
「もしかして彼は……呪具を……」
 そこまで言いかけて、シアは言葉を呑み込んだ。これはただの推測だ。この場で不確実なことは言葉にしないほうがいいだろう。
「いえ、なんでもありません」
 シアの言いたいことがなんとなくわかったのか、ランドルフは微笑んで頷いた。
 そこで遠慮がちに扉を叩く音がした。
「どうやら、待ちきれなかったようだな」
 ランドルフは誰が来たのかわかっているのだろう。「どうぞ」と促す。
 シアは慌ててジェイラスの膝の上から下りようとしたが、ジェイラスがそれを許さず、がっしりと押さえ込む。
「失礼します、ヘリオスをお連れします」
 クラリッサの声だ。
< 349 / 375 >

この作品をシェア

pagetop