【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 しかし、ジェイラスの頭の中は、男の言葉を反芻していた。
 きゅうしょく、キュウショク、休職……。
「アリシア・ガネルが休職だと? 長期の休みをとったのか?」
「あ、は、はい……。今朝方、団長には退団したいと言ったようですが、それを団長がなんとか引き留めて休職という形に……」
 ジェイラスの勢いに負けて、男性騎士はしどろもどろになりながら答えた。
「ま、まぁ。いきなり退団と言われたら、誰だって驚くだろう」
 引き留めた第二騎士団の団長、ブルーノはいい働きをした。と思いつつも、いきなりアリシアが退団を言い出した理由がわからない。
 ジェイラスの頭の中には、なぜ? どうして? と疑問符でいっぱいだった。しかし、今は仕事中だし、ジェイラスとアリシアの関係を知っている者は少ない。アリシアが二人の交際を公にするのを躊躇っていたからだ。彼女が嫌がることはジェイラスだってしたくはなかった。
「では、これを東と西の詰め所に届けてくれ。まだ、昨日の余韻もあり、皆、気もそぞろになっているところだから、引き締めるように」
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