【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「貴殿がここに来るとは、珍しいこともあるのだな」
 近衛騎士団と第二騎士団、仲が悪いわけではないが接点は少ない。むしろ伝令で繋がっているくらいだ。
「いや、伝令係が変わったようだからな、確認しに来ただけだ。アリシア・ガネルが休職したと聞いたのだが」
「……あぁ。彼女は近衛騎士団の担当でもあったな」
 そう答えるブルーノの声に覇気がない。
「彼女に何かあったのか?」
「それは、私が知りたい。今朝、突然、辞めると言い出してな。なんとか説得して、休職という形をとってもらった。今までそういった前兆もなかったから驚いている」
「そもそも辞めるのであれば、最低でも十日前には届けるべきだが?」
 それが騎士団での規則となっている。辞めるときには十日前に届け出をすること。届け出から辞めるまでの十日間で仕事の引き継ぎをするからだ。
「そうだ、それもあったから、休職という形にした。彼女の体調面を慮ってのこと」
「どこか具合が悪いのか?」
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