【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
モンクトン商会はユグリ国でも有数の商会で、その名は近隣諸国にも知られている。特に、ボブの妻コリンナが海を隔てた隣国ギニー国の子爵家出身であることが、影響力をさらに高めている。
二人の出会いは、ボブがギニー国を訪れたとき、コリンナが彼に一目惚れしたらしい。短く切りそろえられた赤い髪、力強い黒曜石のような瞳、上背がありがっしりとした体格の男性は、少なくともコリンナの周囲にはいなかった。コリンナの知っている男性とは違う男性。一目見た瞬間、心惹かれた。
子爵家の末娘ということもあり、コリンナをたいそう可愛がって育ててきた両親は、隣国の商家に嫁ぐことに難色を示した。だがそこはコリンナが、この結婚によって子爵家にもたらされる利益、そして何よりもボブへの想いを訴え、ボブ自身もコリンナを必ず幸せにすると約束をして、二人は結婚までたどりついたのだ。そんな二人の間には、七歳になる愛娘のシェリーがおり、目に入れても痛くないほど溺愛していた。
ギニー国とユグリ国を繋ぐような存在のモンクトン商会。そしてそこに今、優秀な教師が存在する。
名前はシア。陽光のような金色の髪を肩で切り揃え、力強いキャメル色の瞳を持つ女性だ。年齢はおそらく二十二歳。ただし、「おそらく」というのは、シア自身が自分の年齢を覚えていないからだ。そもそも「シア」という名前すら、彼女が自ら覚えていたものではない。シェリーとコリンナが彼女をそう呼んだため、それが名前だとされている。
二人の出会いは、ボブがギニー国を訪れたとき、コリンナが彼に一目惚れしたらしい。短く切りそろえられた赤い髪、力強い黒曜石のような瞳、上背がありがっしりとした体格の男性は、少なくともコリンナの周囲にはいなかった。コリンナの知っている男性とは違う男性。一目見た瞬間、心惹かれた。
子爵家の末娘ということもあり、コリンナをたいそう可愛がって育ててきた両親は、隣国の商家に嫁ぐことに難色を示した。だがそこはコリンナが、この結婚によって子爵家にもたらされる利益、そして何よりもボブへの想いを訴え、ボブ自身もコリンナを必ず幸せにすると約束をして、二人は結婚までたどりついたのだ。そんな二人の間には、七歳になる愛娘のシェリーがおり、目に入れても痛くないほど溺愛していた。
ギニー国とユグリ国を繋ぐような存在のモンクトン商会。そしてそこに今、優秀な教師が存在する。
名前はシア。陽光のような金色の髪を肩で切り揃え、力強いキャメル色の瞳を持つ女性だ。年齢はおそらく二十二歳。ただし、「おそらく」というのは、シア自身が自分の年齢を覚えていないからだ。そもそも「シア」という名前すら、彼女が自ら覚えていたものではない。シェリーとコリンナが彼女をそう呼んだため、それが名前だとされている。