【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
だが、ジェイラスは近衛騎士らをまとめる者として、広間の喧騒を離れるわけにはいかない立場だ。
「団長様が戻ってしまってもよろしいのですか?」
少し戸惑ったようにキャメル色の目を揺らして、アリシアは尋ねた。
「寝ずの番を買って出てくれた者がいるからな。俺の仕事はもう終わりだ」
それよりも、とジェイラスは身をかがめ、アリシアの耳元でささやく。
「今日のおまえ……すごく興奮する」
そんなことを言われてしまえば、顔がかっと熱くなる。
アリシアも第二騎士団に所属する女性騎士だ。伝令係の下っ端騎士であるため、このような場で仕事があるわけでもない。だから騎士服を着て、待機している必要もない。
さらに恋人のジェイラスからの強い希望もあり、アリシアは淡い紫色のドレスに袖を通し、彼の隣に立った。
ドレスは春の風をまとったような柔らかな生地で、胸元と袖口には白糸の花柄の刺繍が繊細に施されている。淡いラベンダー色の裾は歩くたびに軽やかに波打ち、落ち着いた色合いの中にも、華やかさと深い気品を添えていた。
「団長様が戻ってしまってもよろしいのですか?」
少し戸惑ったようにキャメル色の目を揺らして、アリシアは尋ねた。
「寝ずの番を買って出てくれた者がいるからな。俺の仕事はもう終わりだ」
それよりも、とジェイラスは身をかがめ、アリシアの耳元でささやく。
「今日のおまえ……すごく興奮する」
そんなことを言われてしまえば、顔がかっと熱くなる。
アリシアも第二騎士団に所属する女性騎士だ。伝令係の下っ端騎士であるため、このような場で仕事があるわけでもない。だから騎士服を着て、待機している必要もない。
さらに恋人のジェイラスからの強い希望もあり、アリシアは淡い紫色のドレスに袖を通し、彼の隣に立った。
ドレスは春の風をまとったような柔らかな生地で、胸元と袖口には白糸の花柄の刺繍が繊細に施されている。淡いラベンダー色の裾は歩くたびに軽やかに波打ち、落ち着いた色合いの中にも、華やかさと深い気品を添えていた。