【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 あと二十歩も歩けば自宅につく。そこでシアは切り出した。
「うん、こちらこそ。僕につきあってくれてありがとうございます。また、送ってもいいですか?」
 フランクはヘリオスを肩からおろす。おろされたヘリオスは歩きたくないのか、すぐにシアに抱っこをせがんだ。ずっしりとした重みが腕にくわわり、シアは微笑む。
「では、またお願いします」
 彼が知ってほしいと言うのなら、まずはそれを受け入れるべきだろう。誠実な人というのは伝わってきたし、コリンナも彼であればと言っていたのを思い出す。
「フランクさんも気を付けて。それではまた明日」
「ばいばい」
 ヘリオスが手を振ると、フランクも同じように手を振る。その姿が彼の実年齢以上に幼く見えた。確かフランクは二十五歳であったと記憶している。
 夕日に背を押されて来た道を戻る彼を、シアは見送った。
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