【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 子どもたちの一人に声をかけられ、シアも我に返る。だが、シアが教室の後方に気を取られたことに気がついた子どもが、くるりと後ろを向く。
「あ~」
 一人が声を上げれば、次から次へと振り返り、王太子の姿を確認する。
「みなさん、静かに。院長先生もおっしゃっておりましたよね。今日はいつもと変わりません。無理してかっこいいところを見せないように、と」
「授業を中断させてしまい、申し訳ない」
 ランドルフが手をあげて、発言する。
「い、いえ……」
 まさか高貴な方が言葉を発するとは思ってもいなかった。制御できないシアの鼓動は、少しだけ速い。
「では、授業を再開します。これから問題を書きますので、それぞれ解いてください。わからないときは、手をあげて先生に教えてね」
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