【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
 昼休憩を挟んで次の授業に入る。この間、王太子一行は他の場所を見学し、剣術の授業に合わせてこちらに戻ってくるらしい。
 そういった緊張感もあったせいか、昼食時に食べたパンの味がシアにはよくわからなかった。
 十歳以上の子の授業はいつもと同じように過ぎる。しかしその授業が終わりにさしかかろうとしたとき、ざわざわと教室の外が騒がしい感じがした。
 子どもたちもそれに気がつき、どこかそわそわとしている。王太子が剣術の授業を見学に来るというのは、この授業が始まる前に伝えた。だから、いいところを見せようと意気込む子もいるが、逆に緊張してしまう子は、剣術の授業は受けずに帰ってもらう。
「では、今日の授業はここまでです。先ほども言いましたが、今日は剣術の授業に王太子殿下がいらっしゃいます。見学されるとのことですので、準備ができた人から外に出てください。剣術の授業を休んで帰る人は、先生に教えてね」
「起立、礼、ありがとうございました」
 やはり数人の子は、剣術の授業を受けないと言う。
「見学でもいいのよ?」
 シアがそう提案すれば、見学はしたいらしい。もしかしたら間近で王太子を見たいのかもしれない。
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