婚約者を寝取った妹と浮気した婚約者に命懸けの復讐をしようと思います〜その後待っていたのは溺愛でした〜
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(だぁー! もう!なんなのよ! むかつく! むかつく! むかつく!うっとうしい! )


ツインテールの髪を振り乱し、手当たり次第に目についたものを投げつけている女性。可憐な容姿とは裏腹に、鬼のような形相を浮かべている。鬼気迫る様相に、本当に聖女であるのかと疑うレベルだ。

「わぁ⁉︎ イ、イリナ、やめてくれ! 危ないだろう! どうしたんだ、イリナ、落ち着くんだ!」


(もう、なんなのよ! なんなのよ! うっとうしい! どうして私がこんな生活をしないといけないのよ! 私は聖女なのよ! どうして王族でもなくなったこんな人と結婚しないといけないのよ! あんたなんか、見た目がいいだけじゃない! 
第三王子殿下との婚約話はどうしてなくなったのよ! 王命ってなによ!認めない認めない! 私は聖女なんだから! もう、こっちに来ないで! )


「イ、イリナ、落ち着いてくれ! 僕がこんな姿になったせいで……」


レオナルドは車椅子に手をかけて、哀しげな表情を浮かべている。

(本当にそうよ!全部、全部、あんたのせい! )


「僕がユリアのグラスに毒を入れたせいで……きっと、神の怒りに触れたんだ……すまない……聖女であるイリナが声を失うなんて…全部僕のせいだ。イリナ……」


どんなに物を投げつけられようとも、怯むことなくレオナルドはイリナへ近づくために必死に車輪を回す。


赦しを請うように胡乱な目を向けられて、イリナはふと手を止める。

(そうだわ、あの女……、お姉様はどこに行ったの? あの儀式の後からどうもおかしいわ。 私に夢中だったはずの殿方達からは、手紙さえ届かないし。
巡礼に行かないと援助は打ち切ると国王は脅迫してくるし! あの、おいぼれ達のうるさいことったら、あーむかつわ! 
あ、そうだわ! お姉様を探して連れ戻せばいいのよ。 声がでなくなったのもお姉様が何かしたのね? あはは、お姉様てば、嫉妬に狂ったのね? 大丈夫よ、元通りにすればいいんだから。お姉様、レオナルド殿下はお返ししますわ。もう、用無しよ。 私は第三王子殿下と結婚しますわ。
あはは)



「──イリナ? 機嫌が直ったの? 」

(触らないで!)

レオナルドの手を叩き落とし、イリナは不敵な笑みを浮かべて走り去った。

(ぶるぶると悪寒がする。何かしら?)

イリナは誰かの視線を感じて、周囲を見渡した。けれど、誰の姿も見当たらない。

(気のせいかしら? きっと興奮しているのね。うふ、そうだわ、いいことを思いついたわ。私ってば天才。待っていてね、お姉様♡)
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