四神の国の白虎さま
「……」

吹き飛んだ怪異から目を離さずに、男の子の目の前に立つ。この子を、守らないと。

耳飾りに手を触れて、魔力を込める。

「――白虎より皆へ。西の街森にて怪異を発見。特徴は――」

俺が怪異の特徴を告げると、怪異を研究している玄武の声が頭の中に響いた。

玄武曰く、俺1人でも倒せる類のものらしい。一言返事をして、俺は起き上がった怪異を見据える。

「……あなたは……」

後ろから、声がした。見えないはずの俺の姿が見えているようだ。

「……説明は後。下がってて」

怪異から目を離すことなく後ろにいる子に声を掛けると、後ろに下がったのか足音がする。

怪異は、大きな拳を振り上げた。俺が右手を振り上げると突風が吹いて、怪異はバランスを崩す。その隙を見て、俺は蹴りを入れる。

術を使いつつ、体術を基本に。これが、俺の戦い方。

俺は、他の四神みたいに術は得意じゃないから。

怪異は弱ってきているのか、最初みたいな動きは出来ていない。

……もう少しだ。

怪異に向かって風を凝縮させた刃を飛ばすと刃は怪異を掠めて、怪異は空気に溶け込むように消えていった。

「――白虎より皆へ。怪異の消滅を確認」

俺が魔導具を通じて連絡をすると、『了解』という皆の声が聞こえてくる。
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