主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜
***
アルビオン殿下が立ち去った後の庭園には静寂が戻り、私も足を引きずるようにして自室へと戻った。
扉を閉め、背中をそっともたれさせる。
張り詰めていた糸が、静かに、けれど確かにほどけていくのを感じた。
「……ふう」
小さく吐き出した息が、白いレースのカーテンを揺らす。
昨日まで身にまとっていた喪服は、脱ぎ捨てるように脇の衣架けに掛けられている。
今の私は、淡い藤色の柔らかなドレス姿――
それだけで、どこか肩の力が抜けたような気がした。
窓の外では、庭園の白百合が風に揺れている。
まるで、母の残り香がそこに漂っているかのようだった。
けれど、それがただの花に過ぎないことも、知っている。
「ペルフェクティオ聖下――お父様……それに、アルビオン殿下……そして、養子の子供たち……」
重なるように押し寄せてくる記憶に、私はそっと目を伏せた。
けれど――その瞬間。
「告別式、お疲れ様なのです!ラエティティア様!」
その声が、まるで耳元で囁かれたかのように、すぐ傍から響いた。
「……ッ!」
咄嗟に振り返る。
そこには――
いつからいたのか、いや、いつの間にか現れていたのか。
空中にふわりと浮かぶ、小さな神獣の姿。
純白の毛並みが光を受けて煌めき、
その丸い瞳に、どこか人間めいた知性が宿っていた。
「お久しぶりなのです! 順調に未来を変えられているようで、創造主様もとっても喜んでいるのです!なので本日は、書き換えられる前と後の情報を、ほんの少しだけお伝えしに来たのです!」
そう言って、ハルモニア――彼は誇らしげに羽をふわりと広げた。
アルビオン殿下が立ち去った後の庭園には静寂が戻り、私も足を引きずるようにして自室へと戻った。
扉を閉め、背中をそっともたれさせる。
張り詰めていた糸が、静かに、けれど確かにほどけていくのを感じた。
「……ふう」
小さく吐き出した息が、白いレースのカーテンを揺らす。
昨日まで身にまとっていた喪服は、脱ぎ捨てるように脇の衣架けに掛けられている。
今の私は、淡い藤色の柔らかなドレス姿――
それだけで、どこか肩の力が抜けたような気がした。
窓の外では、庭園の白百合が風に揺れている。
まるで、母の残り香がそこに漂っているかのようだった。
けれど、それがただの花に過ぎないことも、知っている。
「ペルフェクティオ聖下――お父様……それに、アルビオン殿下……そして、養子の子供たち……」
重なるように押し寄せてくる記憶に、私はそっと目を伏せた。
けれど――その瞬間。
「告別式、お疲れ様なのです!ラエティティア様!」
その声が、まるで耳元で囁かれたかのように、すぐ傍から響いた。
「……ッ!」
咄嗟に振り返る。
そこには――
いつからいたのか、いや、いつの間にか現れていたのか。
空中にふわりと浮かぶ、小さな神獣の姿。
純白の毛並みが光を受けて煌めき、
その丸い瞳に、どこか人間めいた知性が宿っていた。
「お久しぶりなのです! 順調に未来を変えられているようで、創造主様もとっても喜んでいるのです!なので本日は、書き換えられる前と後の情報を、ほんの少しだけお伝えしに来たのです!」
そう言って、ハルモニア――彼は誇らしげに羽をふわりと広げた。