主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜
「……情報って、どんなものですか?」

ベッドの縁に腰を下ろしながら問うと、ハルモニアはふわりと宙を回転し、羽根をパタパタと動かして着地した。

床にはつかず、微妙に浮いたまま――まるで重力の概念そのものを無視しているようだった。

「創造主様がお創りになられた書物と、侵略者によって書き換えられた書物の違いは、主に三つあるのです!」
「……少ないですね」

ハルモニアは大きく頷き、猫のような耳をぴくぴくと動かす。

「そうなのです、少ないのです! でも、その“少し”がすべてを変えてしまったのです!」
「それで……何が変わったんですか?」
「一つ目は、ラエティティア様がアドラティオ王国で一生を過ごし、処刑されてしまったこと。
二つ目は、その処刑の原因――第二王子、ユリエンス様の改変です」
「……ユリエンス殿下が、改変されていたんですか?」
「はい。創造主様の物語では、ラエティティア様とユリエンス様は、それはもう劇的な恋を経て、結ばれるはずだったのです!」
「……え?」

唐突な告白に、体が一瞬固まる。
それからじわじわと熱が頬へとのぼり、胸の奥がざわめいた。
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