主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜
「結ばれるって……ユリエンス殿下と、私が……?」
「そうなのです! 本来のユリエンス様は、誰よりも気高く、優しく、聖人君子と呼ばれていたのです。
でも、書き換えられた彼は、飄々とした軽い性格に――」

ハルモニアは耳を伏せ、心底悲しそうに肩を落とした。

「元は“男主人公”だったユリエンス様の性格が書き換えられ、反逆の濡れ衣を着せられたのです。そしてラエティティア様にも協力者という濡れ衣を……。
二人を同時に排除することで、この物語そのものを“無にした”のです。許せないのです!」

顔も知らぬユリエンス殿下――だが彼もまた、私と同じ“被害者”だった。

私だけじゃない。

その事実は、思いがけず胸の重荷を少しだけ軽くしてくれた。

「三つ目は、この世界に、元の書物には存在しなかった人物が“二人”いることです!」
「……二人?」
「はい! ペルフェクティオ聖下の実子であるアルビオン皇子と、養子のうちの一人……少女の方、名前はアルカナ。
彼らは、書き換えによって新たに生み出された存在なのです。そして、これが意味すること……分かりますか?」

元々存在しなかった存在。
それが示す意味は、きっと――
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