主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜
「どちらかが……侵略者、ということですね」
「正解なのです! さすがはラエティティア様!」
「……どちら、なんですか?」
「ふふっ、それは今は秘密なのです。でも一つだけ忠告を――
これから出会うすべての人の中で、誰が味方で誰が敵かを見極める目を、どうか忘れずに。
あなたが“何を選ぶか”で、この世界の形はまだまだ変わっていくのです!」

ハルモニアは羽を大きく広げ、虹色の光を纏ってくるくると宙を舞った。
その姿はどこか楽しげで――けれど、その言葉の奥に確かな「重み」があった。

「……ありがとうございます、ハルモニア」
「どういたしましてなのです! あ、それとですね――」

くるりと回転を止め、ハルモニアがこちらをまっすぐに見据える。

「そろそろ、“鍵”となる人物たちが動き出す気配があるのです。
彼らとの関わり方に、どうか気をつけてください。
過去は変えられなくても、未来は……貴女の意志で紡げるのですから!」

風が吹いたように、ハルモニアの姿はふっと消えた。

瞬き一つの隙もなかった。

「……相変わらず、唐突ね」

それでも――
残された言葉は確かに、胸の奥に息づいていた。

「鍵となる人物」。
誰のことなのかは、まだ分からない。

けれど私はもう――

誰かに書き換えられた未来ではなく、自分の意志で歩んでいくと、決めたのだから。
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