主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜
それが――怖かった。
自分の名前すら持たず、誰にも必要とされなかった俺が。
あの人の声で「生きていい」と思えたのに。
今、誰かがその声を奪おうとしている気がして。
ラエティティアが笑った。優しく、まっすぐに、あの男に向けて。
(……やめろ。俺のものだ)
口に出せるわけがない。だけど、心が叫んでいた。
名前を呼ばれた瞬間、壊れていたはずの自分に何かが流れ込んだ。
彼女はその手で、俺を救ったんだ。
だから――
(俺以外を選ぶなんて、絶対に許さない)
あの人が「主」でいてくれる限り、俺は“騎士”でいられる。
だけどもし、俺じゃない誰かの方を見たら。
その人の声で、誰かの名前を呼んだら。
きっと、俺は壊れてしまう。
だから――もう、知らないふりはしない。
このざわつく胸の音も、この焦りも、認めてしまえばいい。
行かなきゃ。ラエティティアのもとへ。
奪われる前に、失う前に。
だって、あの人がまた名前を呼んでくれたら。
そのときは――もう、二度と離さないから。
自分の名前すら持たず、誰にも必要とされなかった俺が。
あの人の声で「生きていい」と思えたのに。
今、誰かがその声を奪おうとしている気がして。
ラエティティアが笑った。優しく、まっすぐに、あの男に向けて。
(……やめろ。俺のものだ)
口に出せるわけがない。だけど、心が叫んでいた。
名前を呼ばれた瞬間、壊れていたはずの自分に何かが流れ込んだ。
彼女はその手で、俺を救ったんだ。
だから――
(俺以外を選ぶなんて、絶対に許さない)
あの人が「主」でいてくれる限り、俺は“騎士”でいられる。
だけどもし、俺じゃない誰かの方を見たら。
その人の声で、誰かの名前を呼んだら。
きっと、俺は壊れてしまう。
だから――もう、知らないふりはしない。
このざわつく胸の音も、この焦りも、認めてしまえばいい。
行かなきゃ。ラエティティアのもとへ。
奪われる前に、失う前に。
だって、あの人がまた名前を呼んでくれたら。
そのときは――もう、二度と離さないから。