主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜
***
ステンドグラス越しの月明かりが、色をなくした廃教会に柔らかく差し込んでいた。
冷たい空気のなかに、静けさだけが満ちている。
私はその静けさに包まれるように、ほんの少しだけ肩の力を抜いていた。
隣にはユーリがいた。
何かを言いかけていた気がする。けれど、その言葉を聞く前に――
「……もう、いいだろ」
低く、鋭い声が、空気を切り裂いた。
思わず振り向く。
そこに立っていたのは、エクエスだった。
「これ以上、何を話すんだよ。夜も更けてるし、疲れてるだろ、お前……」
「……それに、俺がここにいるのに」
息を呑む。
彼は少し離れた場所にいたはずだ。けれど今は、まるで何かを振り切るように、こちらへと歩いてきていた。
その目が私を射抜く。
怒っているのか、悲しんでいるのか、幼いその表情からは読み取れなかった。
ただひとつ確かだったのは――彼の感情が、溢れ出しそうなほど膨らんでいたこと。
「エクエス……」
ステンドグラス越しの月明かりが、色をなくした廃教会に柔らかく差し込んでいた。
冷たい空気のなかに、静けさだけが満ちている。
私はその静けさに包まれるように、ほんの少しだけ肩の力を抜いていた。
隣にはユーリがいた。
何かを言いかけていた気がする。けれど、その言葉を聞く前に――
「……もう、いいだろ」
低く、鋭い声が、空気を切り裂いた。
思わず振り向く。
そこに立っていたのは、エクエスだった。
「これ以上、何を話すんだよ。夜も更けてるし、疲れてるだろ、お前……」
「……それに、俺がここにいるのに」
息を呑む。
彼は少し離れた場所にいたはずだ。けれど今は、まるで何かを振り切るように、こちらへと歩いてきていた。
その目が私を射抜く。
怒っているのか、悲しんでいるのか、幼いその表情からは読み取れなかった。
ただひとつ確かだったのは――彼の感情が、溢れ出しそうなほど膨らんでいたこと。
「エクエス……」