主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜
***
エクエスが騎士として教育を受けしばらく経ったある日、ラエティティアの部屋の中で、二人の少年が向かい合っていた。
「――エクエス、お前。服装が変わると、案外“騎士”に見えなくもないな」
「……ああ、いたんですか。ユリエンス様」
「うわ、敬語。お前が敬語……人を敬えるようになったんだな」
「貴方を敬う気持ちは微塵もありませんが、ラティ様に伺ったところ、一応アドラティオの王子だそうなので」
「“一応”じゃなくて、ちゃんと王子だから。つか、騎士のくせにラティを愛称で呼ぶな」
「貴方こそ、敵国の王子のくせに馴れ馴れしいと思いますが」
「はいはい。……ったく、口の利き方までテネブラエ王宮仕込みか。つか――背、伸びたか? いいもん食わせてもらってんだな」
「以前は不摂生で成長が遅れてただけです。まあ、レフレクシオの十歳にしては、まだ低い方かと」
「……十歳?」
「はい。俺、貴方とラティ様の二つ上ですよ」
一瞬、空気が止まった。
「……嘘だろ。ずっと年下かと」
「貴方こそ、年下とは思えない態度のデカさですよね」
「態度じゃねえ、器の問題だよ」
「その器、底抜けてるように見えますけど」
「は?」
「なんでもありません、お坊ちゃま」
「……この野郎」
「喧嘩はそこまで」
淡く優しい声が、部屋の奥から響いた。
エクエスが騎士として教育を受けしばらく経ったある日、ラエティティアの部屋の中で、二人の少年が向かい合っていた。
「――エクエス、お前。服装が変わると、案外“騎士”に見えなくもないな」
「……ああ、いたんですか。ユリエンス様」
「うわ、敬語。お前が敬語……人を敬えるようになったんだな」
「貴方を敬う気持ちは微塵もありませんが、ラティ様に伺ったところ、一応アドラティオの王子だそうなので」
「“一応”じゃなくて、ちゃんと王子だから。つか、騎士のくせにラティを愛称で呼ぶな」
「貴方こそ、敵国の王子のくせに馴れ馴れしいと思いますが」
「はいはい。……ったく、口の利き方までテネブラエ王宮仕込みか。つか――背、伸びたか? いいもん食わせてもらってんだな」
「以前は不摂生で成長が遅れてただけです。まあ、レフレクシオの十歳にしては、まだ低い方かと」
「……十歳?」
「はい。俺、貴方とラティ様の二つ上ですよ」
一瞬、空気が止まった。
「……嘘だろ。ずっと年下かと」
「貴方こそ、年下とは思えない態度のデカさですよね」
「態度じゃねえ、器の問題だよ」
「その器、底抜けてるように見えますけど」
「は?」
「なんでもありません、お坊ちゃま」
「……この野郎」
「喧嘩はそこまで」
淡く優しい声が、部屋の奥から響いた。