呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

「ちょ、ちょっとエスティリオ……」

 顔を真っ赤にして慌てるラシェルに、エスティリオは不服そうだ。

「リオの時は喜んでなでなでしてくれるのに、何で俺はダメなの?」
「そっ、それは、リオは犬で、エスティリオは男性じゃない……」
「男って意識してくれてるんだ」 
「あ……当たり前でしょう」

 ラシェルの答えに、エスティリオの表情が華やいだ。
 本当、こういう所がリオそっくりなんだから。……そっくり?
 
「待って……。なぜエスティリオがリオのことを知っているの?」

 リオが研究所に通うようになったのは、エスティリオが来なくなってから。
 もしかしたら魔塔の中をうろついていて、ラシェル以外の人にも懐いていた可能性はあるが、ラシェルが勝手に付けた『リオ』という名前はナタリーとアルベラしか知らないはず。
 黒い毛と琥珀色の瞳。時折、人の言葉が分かっているかのような仕草……。
 それにラシェルが呪われている事も、誰にかけられたのかも、話して聞かせたのはリオにだけ。
 エスティリオを見ると、「あっ」と言って自分の口を塞いでいる。
 
「まさか……リオって……」
「あはっ、あれ俺」
「――!!!」

 ご飯やブラッシング、ちょっと撫でるくらいはまだいい。抱きついたり、膝枕をしたり、時には舐められたりしたような……。
 リオにしたりされたりの記憶が蘇ってきて、ラシェルは羞恥心のあまり、しばらく顔を上げられなかった。
 
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