呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!
バッシャーーーンッ!
説明するまでもなく、リリアンヌとエスティリオは跳ね返ってきた水でびしょ濡れに。
「ゴメンなさぁい」
「あぁ……まぁいいよ。温風くらいは吹かせられる? いや……」
濡れたので乾かせるか聞いてみたのだが、やっぱり止めておいたいいかもしれない。
変に風を吹かせられると、リリアンヌのスカートが捲れ上がりそうだ。面倒なことになりかねない。
「やっぱり俺がやるからいいや」
服を乾かしてあげると、大袈裟にきゃあきゃあ言っている。
この位の魔法、自分で出来なかったとしても授業で習うだろうが。と白けた気分でリリアンヌを見た。
そういえばラシェルと初めて出会った時、エスティリオも同じようなことをした事がある。
あの時ラシェルは畑をめちゃくちゃにしたエスティリオに怒ることも、呆れることも、荒れた畑に悲しむ様子もなく、ただ髪の毛がボサボサになったと言って笑っていたっけ。
あの時と似たような状況になってみて改めて思う。
やはりラシェルには一生敵わない。
そして、一生一緒にいたい。
エスティリオが喉を鳴らして思い出し笑いをしていると、更にリリアンヌの勘違いは深まってしまった。
えへへへ、と笑ってお茶目っぷりをアピールしてくる。
ここはラシェルに習って広い心で。
「先ずは思った量の水をすくい上げて、浮かせるところからやろうか。頭の中でバケツ一杯くらいの水の量を思い浮かべて……」
手とり足とり教えてやって、やっと大量の水から少量の水を取り分けて浮かせられるようになる頃には、日が傾きかけていた。