呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!
「エルに相応しい男になりたかったから」
「そ……んな」
上手く言葉が出てこない。
「俺の気持ちはちゃんとエルに伝わっているし、気持ちは通じ合っているんだと勝手に思っていたけど、改めて確認していい?」
「は……はい」
「前にエルは俺に好きだと言われる度に、誰に言っているのか分からなくて辛かったって言っていたでしょ? あれって、エルも俺のことが好きだからってことで捉えていたんだけど、それでいいんだよね?」
「あ……えっと……」
自分がハッキリしなかったのがいけなかったのだと、やっと気付いた。
エスティリオは何度も好きだと言ってくれていたのに、ラシェルが言葉にして伝えなかったから……。それなのに関係はどうなっているのかとヤキモキして、勝手に嫉妬したりして。
「私も……エスティリオの事が好きよ。後輩としてではなく、魔塔主としてでもなく、一人の男性として」
足の先から頭の先まで、全身がボワっと熱くなる。
ひとこと好きって言うだけなのに、こんなにエネルギーを使うなんて。
ラシェルの告白に、エスティリオは脱力してコテンと横になった。
「良かった。年下はムリとか言われたら、俺もう、立ち直れなくなるところだった」
「そんなこと……。私こそ、もう結構いい歳よ?」
「年齢なんて何でもいいよ。エルが俺を好きでいてくれるなら」
身体を起こしたエスティリオが、ラシェルの頬に触れる。
「キス、してもいい? 今度は確認の為じゃなく、ただエルに触れたくてたまらないから」
ストレートに思いを伝えてくれるエスティリオに、ちゃんと答えるべきだ。
すごく、恥ずかしいけれど。
「私も。エスティリオにもっと触れたい」
ゆっくりと重ねられた唇は、何度もお互いを確認し合うように求め合う。
最後、名残惜しそうにラシェルの下唇を食んだエスティリオは、すくっと立ち上がった。
「まずい、これ以上は」
「?」
「こういうのはちゃんと、許可を取ってから」
ふぅぅ、と自分自身を落ち着かせるように息を吐いている。
「エスティリオ?」
「もう少し待ってて。続きは罪悪感なくしたいから」
「続きって……」
「もっと深く触れ合いたいでしょ?」
火照った身体がさらに熱くなってきた。
何言ってるのよ、もう!!
「お休み、エル」
「お……おやすみなさい」
ニコニコと、上機嫌で部屋から消えたエスティリオ。
許可を取るというのはどういうことなのかしら。としばらく首を捻ったラシェルだったが、意味が分かったのはそれから2日後のことだった。