呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!
「ベクレル殿。この度は父が大変な無礼を働いてしまったこと、皇太子として深くお詫び申し上げます。どうかその広いお心で、お許し願えればと思います」
「俺としてはラシェルが本来あるべき姿を取り戻して、名誉さえ守られればそれでいいから」
「魔塔主様のご厚情に、深く感謝致します。ほら、父上も」
「……感謝する」
どうにも下手に出るのは嫌らしい。
皇太子はもう苦笑いしている。
「さてと、っと。この話はこれで終わり。それじゃあ本題に入ろうか」
「本題?」
「今度は俺が許しを乞う番」
エスティリオはまだ項垂れている皇帝の前に跪いた。
「エスティリオ、一体何を……?」
「お父様、それからお兄様。どうか私と、第5皇女ラシェル殿下との結婚をお許しください」
「――――!!」
ラシェルは口元に手をあてて固まっている。
この申し出に、皇帝は力なく皮肉めいて笑った。
「ははっ、わざわざ予に許しを乞う必要などあるのか? 更なる笑い者にしたいのか?」
「まさか。ラシェルが貴方を父と呼ぶ限りは、俺にとっても貴方は父ですから。やはり父親の許可を頂いて、祝福してもらいませんと」
ひたすらニコニコとするエスティリオに、皇帝は折れた。
「……許可致そう」
「ラシェル!」
「エスティリオ……」
強く抱きしめると、元のラシェルの身体がそこにある。どんな姿でもいいとは思っていたが、やはり本来の姿がエスティリオとしても、一番しっくりとくる。
「許可、貰ったよ」
「?」
「これで罪悪感なく、この前の続きが出来るね」
エヘっ、と笑うとラシェルが一瞬で真っ赤に染った。
「もうっ!! エスティリオったら!!!」