呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!
皇宮を出たラシェルはもう、あの父が治める帝国に居たいとは思わなかったので、魔塔主領へ行くことにした。と言うのも、ラシェルが18歳まで通っていたアカデミーが魔塔主領にあったから。
どこか全く知らない国へ行くことも考えてはみたけれど、やはり少しだけ不安で、学生として6年間を過ごした魔塔主領へ行くことに決めたのだった。
アカデミーでは魔法を使う授業が幾つもあったが、魔力無しのラシェルは当然、受けても意味が無い。魔法を使う科目は全て免除して貰っていたため、度々空いた時間ができた。
図書館へ行って勉強するばかりでは芸がない。何かもっと役に立つことしたい。
考えたラシェルはアカデミーの用地を借りて、魔法薬を作るのに必要な薬草を栽培することにした。
コツコツと地道に、試行錯誤しながら育てる作業は自分にピッタリだとこの時感じていたラシェルは、魔塔主領へ着いてから薬草栽培士として働こうと職を探し、運良く今の仕事を手に入れることが出来た。
20歳の時に皇女の身分を捨て、庶民として暮らし始めてからあっという間に時が経ち、気が付けば今年でもう26歳になる。改名して付けた『エル』という名前もすっかりと馴染んで、呼ばれればすぐに自分のことだと認識出来るようになった。
充実した日々を送れることに感謝しつつ、今日も薬草畑の手入れをしていると、農場責任者の呼び掛ける声が畑の向こう側から聞こえてくる。
「新しく就任なさった魔塔主様が挨拶をなさるそうだ。皆、手を止めて広場へ向かうように」
どこか全く知らない国へ行くことも考えてはみたけれど、やはり少しだけ不安で、学生として6年間を過ごした魔塔主領へ行くことに決めたのだった。
アカデミーでは魔法を使う授業が幾つもあったが、魔力無しのラシェルは当然、受けても意味が無い。魔法を使う科目は全て免除して貰っていたため、度々空いた時間ができた。
図書館へ行って勉強するばかりでは芸がない。何かもっと役に立つことしたい。
考えたラシェルはアカデミーの用地を借りて、魔法薬を作るのに必要な薬草を栽培することにした。
コツコツと地道に、試行錯誤しながら育てる作業は自分にピッタリだとこの時感じていたラシェルは、魔塔主領へ着いてから薬草栽培士として働こうと職を探し、運良く今の仕事を手に入れることが出来た。
20歳の時に皇女の身分を捨て、庶民として暮らし始めてからあっという間に時が経ち、気が付けば今年でもう26歳になる。改名して付けた『エル』という名前もすっかりと馴染んで、呼ばれればすぐに自分のことだと認識出来るようになった。
充実した日々を送れることに感謝しつつ、今日も薬草畑の手入れをしていると、農場責任者の呼び掛ける声が畑の向こう側から聞こえてくる。
「新しく就任なさった魔塔主様が挨拶をなさるそうだ。皆、手を止めて広場へ向かうように」