呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

「お頭! こんな所に馬がいますぜ? 」
「本当だ、そっちには荷物もあるな。中身は?」
「えーと……。なんだこりゃ、よく分かんねぇ事が書いてある紙ばっかりっすね。あっ、金が入った袋ありましたよ。えーと……くそっ、銅貨がちょっと入ってるだけかよ」
「こっちの袋は、っと……あっ! 魔晶石が入ってますよ」

 どうしようかしら……。
 声の種類からして4人? お頭と呼んでいたらから、もしかして山賊かもしれない。

 急いで服を着てしまいたいが、今動くのは危険だ。見つかれば余計に不利な状況になる。
 馬を奪われてしまったら、今日中に人里へ出られるか分からない。そう考えてみると恐ろしいが、見つかってしまう方が尚更酷い目にあう。

 ここはじっとしてやり過ごすのよ。

 物音を立てないよう息を潜め、男たちが去っていくのを待ってみたが、お頭と呼ばれていた男が何かに気づいた。

「これ、女物の靴だな」

 ――っ!!

 思わず出そうになった声を、すんでのところで飲み込んだ。
 ラシェルが川岸で脱いでおいた靴を見つけた男たち。にやぁっと笑い合い、猫なで声で何処へともなく話し掛けている。

「おーい、子猫ちゃん。隠れているのは分かっているんだぞー。大人しく出ておいで」
「お頭、若い女かどうか分かりませんぜ? ババアって可能性も……」
「阿呆んだらが! 靴の趣味からして、どう見ても若い女だろう。馬がここに居るんだ。そう遠くへは行っていないはずだから探せ!!」

 お願い、来ないで……。
 よりにもよって、なんでこの格好なのか。
 まだ下着しか着ていないのに。

 小刻みに震えながら息を潜め、茂みの影で疼くまっているラシェルの耳に、パキンっと枝の折れる音が聞こえた。

「あ……」
「みーつけた」
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